まなびの『び』

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原油価格の高騰の影響

カーボンニュートラルはまだ続きますが、気分を変えて最近の化石燃料価格の上昇について考察していきます。

 

ここ最近、原油価格の高騰のニュースをよく耳にします。

WTI原油先物という原油価格を表す指標の代表格がありますが、8月20日の62ドル台を底にして、10月12日現在80ドル台と2ヶ月弱で3割弱も値が上がりしている状況です。

WTI原油先物WTI:West Texas Intermediate テキサス州西部で算出される原油で、取引量が多いことから、原油価格の代表的な指標の一つとされているます。他の指標としては、北海油田のブレント原油、ドバイで生産されるドバイ原油がある様です。

 

現在の原油高は、世界各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が接種率が向上し、経済活動が再開される中で、需要が一気に回復しています。一方で、生産側のOPECプラスが今後のコロナの再拡大の懸念を背景に、増産ペースを現状維持にしています。この需給の関係から価格が高騰したものと思われます。

 

この原油価格高騰の影響は家計にも影響を与えつつあり、

経済産業省資源エネルギー庁の「石油製品価格調査」(https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl007/)によるレギュラーガソリンの全国平均小売価格2021年10/8時点は160.0円。2020年10/5時点は134.6円で、この1年間で値段が上がり続けている状況です。

また、石油だけでなく、天然ガス、石炭も価格が高騰しており、電気も火力発電への依存が大きいため、電気料金も値上げが発表されています。

 

このような状況が続くと経済的には厳しい状況になります。ガソリンの高騰で運送費や電気代のコストが上がりますが、企業が生産する商品に100%価格転嫁して値上げすることもできないため、利益を削っていく必要がでてきます。

家計もガソリン高、電気料金の値上げにより、節約マインドになっていくため、物も買いにくくなるということになるでしょうか。

 

一方で原油高がプラスに働く企業として言われるのは、石油を生産している企業はそのままプラス影響あり。石油元売企業も在庫となっている石油が高く販売できることからメリットがあります。今回も同様な傾向となるのでしょうか。