混沌とする関西スーパーのTOB状況について一旦整理
関西スーパーマーケットのTOBについて、混沌とした状態が続いています。ただの傍観者ではありますが、これまでの流れについて見ていきたいと思います。
関係各社
○関西スーパーマーケット(9919)
兵庫、大阪、奈良で展開するスーパーマーケットチェーン
○エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(8452)
関西を基盤に阪急百貨店、阪神百貨店、スーパーマーケットチェーンのイズミヤなどが傘下。2016年から関西スーパーマーケットと資本業務提携。2021年3月時点で関西スーパーマーケットの10.02%の株式を保有する筆頭株主。
○オーケー(OK)(非上場)
関東を中心にディスカウントストアのオーケーストアを展開。2021年3月時点で関西スーパーマーケットの7.23%の株式を保有する。持ち株数は第3位。
【2021年6月上旬】
H2O以外の第三者が関西スーパーに公開買付を行い、資本業務提携の提案を行う(8月31日の関西スーパープレスリリース時に公表)。9月3日に第三者がOKであることも公表。
【2021年8月31日】
H2Oが関西スーパーを買収するニュースが掲載され、同日正式に両社から発表される。株主総会等経た上で、2021年12月1日にH2O傘下のイズミヤと阪急オアシスが関西スーパーと株式交換をする形でH2Oの子会社となる。これを目的として、新株発行を予定。
【2021年9月2日】
OKが関西スーパーマーケットの買収を提案する旨の報道。翌日正式にオーケーからニュースリリースされる。1株当たり2,250円で公開買い付けを行う。(9月2日の終値が1,374円で、約64%のプレミアム付での買付提案。)
【2021年10月29日】
臨時株主総会。10時から始まり13時40分ごろ質疑終了。採決の結果、僅差でH2Oの傘下に入ることが、承認される。承認には3分の2(66.66…%)以上の賛成が必要なか、賛成が66.68%。OKはTOB提案の取り下げを発表。
【2021年11月8日】
OKが臨時株主総会の集計に疑義がある旨をHP上に掲載。採決にて「賛成・反対・棄権いずれにも記入がない場合は棄権として集計する」とマークシートに明記。議長からもその旨説明をしていたにもかかわらず、賛成する意図だったが白紙で提出したという申し出があり、棄権票を賛成として取り扱うこととした。これにより、それまで否決となっていた開票結果が、可決に逆転したとのこと。翌日株主総会決議の差し止め仮処分を神戸地裁に申請する。
【2021年11月22日】
【2021年11月24日】
関西スーパーマーケットが仮処分への異議申し立て。
【2021年11月26日】
関西スーパーマーケットが12月1日での経営統合を2週間延期することを発表。同日、神戸地裁が異議申し立てを認めず、統合差し止めへ。関西スーパーマーケットは大阪高裁に抗告を予定。
と昨日までの状況をみていきました。
関西スーパーのチャートを今年始めから見るととてつもないチャートになっています。
2021年9月に入ってOKのTOB報道で上昇、9月6日から7日まで、2日連続のストップ高となりました。9月2日の終値から最大61%も上昇しています。
その後10月29日の株主総会を経て、翌営業日の11月1日はストップ安。11月2日は10月29日の終値から約3割下落。
11月9日にOKから統合差し止め仮処分申請の報道がでると、またストップ高。
このジェットコースターにしがみついている個人投資家はいるのか?
12月8日追記
12月7日に大阪高裁が神戸地裁の統合手続き差し止め仮処分を取り消ししました。白紙で提出した株主の賛成意向を認めた形になります。これに対してオーケーは抗告を申立を行い、本日抗告を許可。最高裁までもつれ込むことになりました。