まなびの『び』

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愛知県の銀行事情(愛知銀行と中京銀行の統合報道について)

愛知銀行中京銀行経営統合が先日より報道されておりましたが、12月10日に正式に発表されました。せっかくなので、私の地元である愛知県の銀行事情につきまして調べてみたいと思います。

 

愛知県に本店を置く普通銀行は、名古屋銀行愛知銀行中京銀行の3行で、いずれも第二地方銀行となります。

銀行(普通銀行)の区分けとして、都市銀行地方銀行第二地方銀行、その他・ネット銀行等がありますが、愛知県に本店を置く地方銀行は存在していません。もともと愛知県には東海銀行という都市銀行がありました。かつて名古屋においては非常に強い影響力を持っておりましたが、2002年に三和銀行と合併しUFJ銀行となりました。(その後東京三菱銀行と合併して、現在の三菱UFJ銀行になります。)

このような経緯から、愛知県内の銀行の勢力図としては、東海銀行時代の流れで三菱UFJ銀行が強く、また愛知県の地銀3行以外にも、岐阜県十六銀行大垣共立銀行三重県百五銀行、三十三銀行(旧三重銀行+旧第三銀行)も進出しており、銀行の激戦区となっています。

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今回経営統合を発表したのは愛知県内2位の愛知銀行と3位の中京銀行です。単純に足し算をすれば名古屋銀行を上回り愛知県内1位となることになります。ただ単純にくっついただけでは、他行と戦えませんので、システムの共通化、店舗や人員の削減により稼ぐ力を強化を図り、顧客への新たな価値提供につなげていかないといけません。まさにここからの戦略が大事になります。

 

今後2022年には、共同持株会社を設立し、2024年に銀行を合併させるという時系列になります。また、三菱UFJ銀行保有している中京銀行の株式を購入し、三菱UFJフィナンシャルグループから離れることとなります。

先日記事にしたSBIホールディングスの地銀との提携や、今回のきっかけの一つになったであろう政府の地銀への経営統合支援策など、まだこれからも地銀再編の動きが出てくるかもしれませんね。