まなびの『び』

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ANAP(3189)がメタバース参入によりストップ高。

今回銘柄分析で取り上げるのはANAP(アナップ)というアパレルの企業。女性向け、子供向けのブランドで、私はあまり馴染みがないですが、この企業がメタバースへ事業参入をしたというニュースがありましたので、見ていきたいと思います。

 

◯企業概要

まずいつも通り、どのような企業なのかを見ていきます。

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ANAPはインターネット販売事業、店舗販売事業、卸売販売事業とその他に分かれています。2021年8月期の売上高構成比でいうと、インターネット販売事業と店舗販売事業がおよそ半々くらいになっています。しかし、インターネット販売事業は2020年8月期と比べて22%減、卸売販売事業は11%増した結果ですので、昨年の売上構成比ではもっとインターネット販売事業の割合が大きい企業でした。

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インターネット販売事業が昨年比で低調だった理由として、「ファッションECサイトのサービス競争の激化」を挙げています。店舗型のアパレル企業がコロナ禍の影響を受け、ECでの取り組みを強化したものと思いますが、そのためにシェアの奪い合いとなったことが想像できます。一方での店舗販売事業では10店舗が新規出店されたということで、売上が伸びています。ただし、新規出店の初期費用等もかさみ、損失が拡大している状況です。ということで、2021年8月期は売上高10.3%減、利益は赤字拡大という苦しい1年だった様子です。

2022年8月期が始まり、段階的な消費の回復を期待し、売上回復、利益黒字回復を見込んでいますがどうでしょうか。実際にコロナ感染者数は減ってきており、人出は増えつつあります。

 

メタバースへのアプローチ

さて本題、ANAPがメタバース領域に参入するというニュース。

これはファッションアイテムをメタバース上に変換し、アバターが着用できるというものの様子です。企業が保有する洋服や小物などの採寸データとアイテム画像素材から仮想空間上のアイテムを作成することで、仮想空間の中で販売することが可能になるもの。また、仮想空間で試着をさせ、リアル商品の販売にもつなげるというものです。

2021年8月期有価証券報告書において、『連結子会社ANAPラボについては、従来のファッション事業とは異なる新規事業等も含めて引き続き事業拡大を目指しておりいます。』と記載がありますが、今回のメタバースがこの記載のことだということですね。

 

◯市場の反応
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今回のニュース発表されたのが2021年12月9日で、翌日10日の株価は朝から値がつかずストップ高となっています。その後の夜間取引でも値幅上限まで上がっています。メまだまだマネタイズできるまでには至らないと思っていますが、今回のプラットフォームをどれだけの法人が利用してくれるか、今後の営業にかかってくると思います。

それにしてもメタバースは今後の成長分野なので、夢が膨らむ話ですね。今後もこの様にメタバースの話題がどんどん出てくることが楽しみです。