まなびの『び』

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洋上風力対象事業者の決定による影響〜レノバがストップ安〜

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昨日の記事、洋上風力発電の事業者が決定したことに対して、レノバという企業の株価に大きく影響を与えたので、本日はその点に触れてみようと思います。

 

前回記事はこちら。

manabinobi.hatenablog.com

 

◯株式会社レノバとは?

そもそも株式会社レノバという企業ですが、再生エネルギーに特化した発電事業者です。開発中も含め、太陽光発電風力発電バイオマス発電、地熱発電といった多数の再生可能エネルギーによる発電事業を手掛け、売上高の成長も著しく、まさに「成長株」と「脱炭素」という2つのテーマから注目度も高い企業です。

 

◯今回の洋上風力発電事業選定について

今回洋上風力発電事業者選定された区域のうち、秋田県由利本荘市沖について、レノバは公募に参加していました。相当力を入れていたはずで、地盤調査や環境影響評価の様子などを積極的に情報発信し、秋田県より秋田県SDGsパートナーにもレノバ由利本荘事務所が選ばれるなど、リードしている印象でした。しかし、昨日の記事の通り選ばれたのは三菱商事を中心とするコンソーシアムでした。

 

◯株価への影響

これを受け昨日のレノバの株価は、24日の終値4,600円から3,900円と700円(15.2%)とストップ安となりました。野村證券も5,610円から2,430円へレーティングを下げています。

このことはBloombergの記事にもなっています。

www.bloomberg.co.jp

この記事に、『3区域の売電価格が1キロワット時あたり、11.99ー16.49円と入札上限の29円を大きく下回り、「現時点では収益貢献を見通し難い水準」と評価』と記載されています。確かに経済産業省の選定結果のHPを改めて見返して見ると、秋田県由利本荘市沖の区域では、11.99円/kWhの価格で価格点120点満点のうち120点を三菱商事が獲得しており、計算式を見ると、他社よりも2割以上低い価格としていることがわかります。

『「日本の洋上風力業界の将来的な収益性も慎重な見通しが必要となる可能性」がある』という記載にありますが、電力事業者からすると洋上風力発電では儲からなくなってしまうと、公募に手を上げて調査をするコストがそのままリスクとなってしまうことが想像できてしまいます。

 

〈12月28日取引終了後追記〉

28日も700円下がり3,200円。26日終値から30.4%減となりました。2営業日連続のストップ安です。あまり詳しくないのですが、これで明日は値幅制限4倍に拡大されるんですかね?