利上げ期待高まる中での銀行株の推移
昨日の記事で、株価指数の下落傾向を紹介したわけですが、その中でも元気がいいのが銀行株です。いくつかチャートを見ていくと。
◯三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)
◯静岡銀行(8355)
◯ふくおかフィナンシャルグループ(8354)
上がっているものを選んでいるという側面もありますが、この数日間上昇局面が続いています。幅はあるものの、いずれも11月くらいから下降し、12月初めに底を打って少し横横した後に、ここ数日で上昇が続いているといった傾向が共通しています。なかでも特に三菱UFJフィナンシャルは直近高値を突破して昨年から1年間で最高額となっています。。
実は銀行業の銘柄の中で、1月7日の取引で前日から値を下げたのは中京銀行(8530)の1行だけ、という結果でした。中京銀行の場合は愛知銀行との合併の発表から株価が上がり続けていたので、その調整で下げているものと思われます。これを除けば、銀行株がほぼ全勝をしているということになります。
銀行株はこれまでもPERが低く割安な株とされてきました。これには、国のゼロ金利政策により貸出金利が抑えられることにより、銀行の稼ぐ力が弱くなるために、魅力がなかったことに起因します。ところが、金利上昇されると銀行は利ざやをより多く得られるということで、注目が集まります。あわせて、この頃の成長株(グロース)の値動きも弱く、割安(バリュー)な銘柄、つまり銀行株へ資金が流れるという動きもあったことと予想されます。
この傾向がいつまで続くのかといったことは私にはわかりませんが、トレンド的には成長株の下降傾向は続くのかなと思っています。特にこれから10-12月の期間の決算発表が増えてくる時期ですので、本当に稼げる企業か?の目線で選別される様に思います。
これからも、新型コロナウイルス(オミクロン株)の感染状況とそれに対する感染拡大防止策、一方で雇用状況や資源高などインフレ状況、これらを見ながら各国政府、中央銀行がどの様な動きを見せるのか、で大きく動く相場が強く影響を与えるはずです。
特に、アメリカのFRBがどの様な発表を見せるのか。そして、北京オリンピックが近づく中、「ゼロコロナ」を目指している中国がどの様な政策を取るのか。気にしておきたいポイントだと思います。