まなびの『び』

投資運用、業界研究、時事、その他学んだことを

ゆうちょ銀行の硬貨取扱手数料の新設について

ゆうちょ銀行で硬貨の取扱手数料が新設されるというニュースが取り上げられていました。ゆうちょ銀行は2021年7月2日の発表で、2022年1月17日、つまり昨日から硬貨取扱料金が新設され、51枚以上の硬貨の窓口での預け入れや払込みなどで手数料が必要となることになります。

www.jp-bank.japanpost.jp

この硬貨の取扱にかかる手数料は、都市銀行は既に取り入れていて、これまで無料だったゆうちょ銀行がそれに追いついた形になります。各銀行の手数料を並べると次のとおりです。

f:id:manabinobi:20220116065055p:plain

比較すると、500枚までの場合ゆうちょ銀行が最も手数料が高いことになります。これまで無料だったことからすると、かなり大きな改定だと思います。一方で比較的安いのは三井住友銀行ですね。

 

硬貨を取扱うということにはコストがかかります。枚数を数えることに時間はかかりますし、枚数を数える機械の運用コストも必要です。現金の運送コストも、硬貨は金額の割に重くなるので、負担も大きいです。

銀行はインフラという面もありつつも、その多くは上場している「株式会社」であることから、利益を得て株主に還元する必要があります。今の低金利政策により利ざやが稼ぐことが難しい中でコスト削減あるいは、手数料収入を増やすということは銀行にとって重要な戦略だと投資家目線では思います。個人目線ではそこまで硬貨を何百枚単位で使う機会はないとしても、これまで無料だったサービスが有料になることは今後もありそうで、辛いところではありますが。。。

それにしても、本来は人の手がかかっているにも関わらず、無料であることに慣れすぎているものって他にも色々ありそうですね。海外に行ったときに公衆トイレが有料であるのに驚いた記憶があります。

 

さてこのような改定があると、硬貨特に1円の市場価値がかなり低くなるんじゃないかな、と思います。1円が増えてもかさばるし、それだけでは使用しにくいのです、より大きな硬貨へ両替をしなくてはなりません。しかし、この取扱に手数料がかかるのであれば、相対的に価値が下がります。今回の改定で店舗がお釣りを用意するといったことが不便になることで価格を変更するといったこともあるのではないでしょうか。

例えばですが、1円は取り扱いません。10円未満はサービスします。といったものの取扱は可能なんでしょうか?JRの様に、現金だと10円単位の運賃だけれどもICカードだと1円単位の運賃といった柔軟な値段設定もありかもしれないですね。