まなびの『び』

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ウクライナ情勢と、軍事関連2銘柄(石川製作所、細谷火工)

先週末より、ウクライナ情勢がより緊迫感を増してきました。

そもそもウクライナの地域は9世紀から13世紀までキエフ大公国という国が存在していましたがその後はモンゴル帝国オスマン帝国ロシア帝国などに侵略される歴史をたどります。

第二次世界大戦後はウクライナソビエト社会主義共和国としてソビエト連邦の一部になりました。1991年にソビエト連邦の解体とともに独立を果たして現在のウクライナが誕生します。

独立後のウクライナEU、旧西側諸国との関係強化を模索しますが、地理上そして経済的にもロシア依存から抜け出せず、ロシアとの関係も続けなければなりませんでした。もともとロシア民族も多く住んでおり、ウクライナは親露派、反露派のそれぞれの勢力が存在することになります。

一方、ウクライナ政府は北大西洋条約機構NATO)への加盟を目指していることがロシアとしては面白くありません。ウクライナはロシアの首都モスクワと距離的にも近く、またロシアから地中海側へ出ていくのに重要な黒海の北側が国土ですので、この地域がロシアとは敵対する勢力と結びつきが強くなることはロシアとしては国防上、耐えられるものではないでしょう。

このような背景もあり、2014年にはロシアがウクライナ領のクリミア半島を併合するなどウクライナへの圧力を強めていました。そして現在に至ります。

ロシアはウクライナ国境周辺に軍を集め、ウクライナNATOに加盟しない様にせまります。これに対して、NATOが東欧へ軍を増強、アメリカも軍の派遣を検討しウクライナ大使館職員の家族に退避命令を発令しました。一触即発の事態になりつつあります。これを受けて24日のアメリカの市場は激しく混乱、ダウ平均は一時的に1,100ドルも下がりましたが、引け間近でプラスに転じるという珍しい事態も発生しました。ヨーロッパも各国で大幅な下げ、日経平均も25日は前日終値から457.03円、1.66%の下げと、世界全体で市場が反応しています。

 

さて、その様なタイミングで2つの銘柄の動きを見てみます。いずれも軍事関連の銘柄となります。

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上図が石川製作所(6208)の直近5営業日の株価推移。海上自衛隊の機雷を製造しています。

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こちらが細谷火工(4274)となります。こちらは信号弾や照明弾、発煙筒等を製造していますが、株価は石川製作所と非常に似た動きをしています。

25日の14時30分から引けまでに大量の売りがでましたが、20日くらいから徐々に上昇を始め、特に25日に値動きが激しくなった事がわかります。

 

ウクライナ情勢によって世界の株価がどの様に動くのか。ロシアはヨーロッパ方面に天然ガスを供給していますので、また世界的な資源高が発生する引き金にもなります。こちらも注意深く見ていく必要がありますね。