まなびの『び』

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ロシアと日本の輸出入について(有事の日本への影響)

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本日はいま話題のロシアについて。ウクライナ問題は以前として状況は好転しておらず、そのじりじりとした危険性が株価の重しにもなっています。

 

地政学については、しっかりと勉強したことはなく聞きかじりの様な状態ですが、ウクライナEUとロシアの緩衝地帯(バッファーゾーン)に当たると思っていて、ウクライナがあることで両者は一定の安定が保たれます。一方で、ウクライナがどちらに親しい態度を取るかで、とても不安定な状況が発生し、今がまさにその状況だと思います。ロシアにとって、目と鼻の先にあるウクライナが敵対化すると、国防上身動きが取れなくなります。

ロシアを封じ込めたいアメリカのバイデン大統領としても今年の中間選挙を考えると、強いリーダーとしての動きを見せる必要がありますし、弱気外交はできない訳で譲歩は考えにくい。なかなか落とし所がない状況ではないかと考えています。

 

 

ウクライナ問題については先日ロシアとウクライナの問題について触れていますので、そちらも見てみてください。

 

manabinobi.hatenablog.com

 

 

そんなロシアですが、日本との経済的な関係を見ていきたいと思います。日本と各国の貿易の内容を財務省が貿易統計という形で公表をしています。

 

www.customs.go.jp

 

今回自分で初めて調べてみたので、正確かどうかはわかりませんが、ロシアとの輸出入の品目別は以下の様になります。

 

2020年度の貿易品目上位5位

(輸入)1兆0862億円

1.石油ガス(22.4%)

2.石炭(17.2%)

3.銀及び白金類(14.9%)

4.原油及び粗油(14.8%)

5.魚介類(8.9%)

 

ロシアからは資源を多く輸入していることがよくわかります。資源エネルギー庁のエネルギー白書(2021)(https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2021/html/2-1-3.html)を見てみると、日本のLNG液化天然ガス)の輸入先はロシアが上位3番目となり、8.3%を占めています。同じく原油はロシアが上位5番目で4.8%、石炭(一般炭)は上位3番目(11.9%)。どの資源もロシアにかなりの割合で依存しています。推察するにロシアは距離的に近いため、輸送コストが安価ということもあるかもと思っています。

 

ですので、仮にロシアとアメリカの関係がさらに悪化すると、これらの供給に混乱が発生することが容易に想像がついてしまいます。

 

(輸出)6,349億円

 

1.自動車(40.6%)

2.自動車部品(11.0%)

3.建設用・鉱山用機械(5.4%)

4.原動機(4.8%)

5.ゴムタイヤ及びチューブ(4.7%)

 

一方で輸入の方を見てみると、自動車が40.6%を占めています。ロシアでの自動車メーカー別のシェアを調べてみると、7位にトヨタ(5.7%)、8位に日産(3.5%)でした。

 

www.marklines.com

建設用機械や鉱山用機械ということで調べてみても、例えば、コマツ日立建機もロシアに拠点を持っていることが確認できます。

 

万が一の際には、こういったメーカーはさらに影響が出てきそうです。ロシアへの依存度が高い企業もありそうですね。