金利が上がる理由を思考実験をしてみる
金利が変動する理由について思考実験をして、自分なりに理解を深めようと思います。きっかけとしては最近住宅ローンの変動金利が上がっているというニュースがあり、その中でアメリカの利上げが背景というような解説がありました。なぜ?と思ったのでそもそも金利がなぜ上がるのかを考えてみようと思ったわけです。
なお、このような経済学は勉強していない私が、私なりに理解したいと自分の頭の中を整理しているもので、中身間違っている可能性があります。また、なるべく単純な条件にしていますが、本来の市場ではもっといろいろな要素が含まれているため、実際にはこのような簡略化もできないことも理解した上でですので、読まれる方はその点もご理解ください。
まちがっている、とか、もっとこういう理解をした方がよい、とのご意見があれば、ぜひお伺いしたいです。
〇考え方
前提として、
供給側(貸す人):できる限り多くの利益を得たいので、高い金利で貸したい。
需要側(借りる人):できる限り少ないコストで借りたいので、低い金利で借りたい。
ということで整理し、需要と供給の結果により金利が決定されることを想定します。
上図でいえば、青いライン(供給曲線)がお金を貸し出す人の心理を表していて、高い金利ほど多く金額を貸したい。赤いライン(需要曲線)が借りる人の心理を表していて、金利が高ければあまり借りたくないということになります。右に行けばいくほど、金利が高い状態をあらわしていて、供給曲線と需要曲線の交点が、実際に貸し借りを行う金利となる。こういったモデルで考えてみます。
〇より多くの金額を借りたい場合
まず最初に、借りたい需要が高まった場合を例にしてみます。住宅で言えば、もっと高額な住宅を建てたいからより多くの金額を借りたい、そのような状況です。モノを購入するニーズが高まっているときには、同じ金利で、できる限り多く借りたいということになりますから、赤い線(需要曲線)は通常(点線)から上にずれます。
結果的に、青い線(供給曲線)との交点は、通常より金利が高くなってしまうということになります。
家を買いたい、であったり、企業であれば設備投資をしたい、という好景気の時には、金利が上がっていくという話がありますが、今回のモデルと一致しています。
〇(本題)貸す側にとって、より魅力的な投資先がある場合
さて、本題です。
おそらく現在の日本の状況はこれに近いのだと思っているのですが、現在日本では低金利となっていますが、アメリカでは利上げの見通しとなっています。こうなると貸す側にとって日本での貸し付けはうまみが少なく、為替リスクはあるもののアメリカに投資した方が有益だ、と判断をしたとします。
同じ金利であれば、貸し出す資金をアメリカの債券を購入する資金に振り分けたいので、貸す側はあまり多くを貸したくありません。つまり青い線(供給曲線)が通常(点線)よりも下にずれます。
すると赤い線(需要曲線)との交点は右にずれ、結果金利が上がるという結果になりました。
つまり為替リスク考慮しても外国での金利が上がることで優位になると、日本市場でも金利が上がってしまうということになります。
今の日本銀行は、日本においては金利が低い状態を維持したいという考え方です。海外の金利が上がることで日本の金利に上昇圧力があるのであれば、金利を下げる方向へ市場介入していきたい、と考えています。
そして実際に市場介入を行うというニュースが入ってきました。これはまた次回に考えていきます。