まなびの『び』

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ベネッセによるベルリッツの売却について

2月14日にベネッセホールディングスより、子会社のベルリッツの株式売却について発表がありました。本日はこの話題についてみていきたいと思います。

 

ベネッセといえば、進研ゼミやこどもチャレンジといった教育事業に携わる企業ですが、その事業の一つが、英語学習であるベルリッツです。

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ベルリッツは2001年からベネッセの完全子会社となっており、世界各地で社会人や大学生向けの語学学習を行っておりました。しかし、このベルリッツですが業績不振が続いていました。

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上図は、ベネッセホールディングス決算短信等の資料から、セグメント売上高、利益の推移を表したもので、2022年3月期は第3四半期までの業績となります。ベネッセでは2019年3月期からセグメントを変更し、現在のようなセグメント分類を行っています。

ご覧の通り、ベルリッツセグメントは赤字が続いています。業績不振拠点の閉鎖やリストラなど、構造改革の動きは続けられていたのですが黒字化に至らず、その状況下でコロナ禍に見舞われます。教室の閉鎖などで売上高の減少が続き、ベネッセの重しとなっておりました。

 

そして、今回のベルリッツ事業の売却発表となりました。

今後の業績への影響として、2022年3月期では、売上高が80億円減少、また株式売却損による特別損失と法人税等の減少を差し引いて63億円の当期純利益が減少するとしています。これに伴い業績予想を下方修正、売上高は4,410億円から4,330億円へ80億円のマイナス、当期純利益を50億円から0億円としています。

一方で、2023年3月期以降は法人税の削減効果30億円が発生し、またROEが大幅改善する見通しとしています。

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市場の反応としては、発表当日14日の終値2,318円から翌日15日の終値は2,419円と101円、4.36%上昇。しかし、さらに翌日16日には2,332円まで戻してしまいました。再び買い戻しの動きはあり、25日移動平均線も上向きを始めました。気にしている銘柄でもありますので、今後の動きが気になっています。