まなびの『び』

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ロシアのウクライナ東部の独立承認と派兵のニュースについて

ウクライナ東部のルガンスク州ドネツク州の2州の新ロシア派の武装勢力が実効支配する地域をの独立を承認し、その地域への平和維持を目的としたロシア軍の派兵を命令しました。

これを受けて22日の日本のマーケットも日経平均▲1.71%の26,449.61円で引けました。原油先物や金価格も上昇、為替も円高にも振れています。

 

気になるのは今後のロシア、アメリカの動きですが、完全に素人が考えて見たいと思います。なお、この記事は2月22日の午後11時に書いていますが、公開するタイミングではまた状況が変わっているかもしれません。。。

 

 

まずロシアですが、ロシアのゴールとしてはウクライナNATOに加盟しないことだとするのであれば、ウクライナに侵攻して制圧する必要はないと思います。いつでもウクライナ、特にキエフを占領することができるということを見せつけ、NATO加盟を諦めさせるまで圧力をかけ続ければよいということですから、特にアメリカの動き方次第だと思います。

 

対してアメリカですが、どこまでロシアに対して強気でいくか、バイデン大統領の腹のくくり方次第となると想像しています。

今回の東部の独立承認、派兵に対して、これをウクライナへの侵攻そのものとみなすことはないのではないかと想像しています。なぜなら、これを侵攻としてしまった場合、アメリカは次に切れるカードがなくなってしまうからです。

アメリカがロシアに強力な制裁をかけた場合、以前取り上げた様にロシアは原油の産出国ですから、原油の価格が今以上に上がってしまいます。ただでさえ、アメリカ国内ではインフレが国民を痛めつけており、バイデン大統領の支持率低迷の一因にもなっています。

アメリカは今年中間選挙があり、そのためにインフレ対策を行っている中でロシアへの強力な経済制裁はしたくない、外交で幕引きとしたいという考えを原則としていると思っています。

アメリカは今回の独立承認を受け、経済制裁を実施するとはしていますが、その内容は今回独立承認した地域への新規投資や貿易を行わないとする、非常に限定的なものです。さらに追加の経済制裁がされても、ロシアにとっては大きな影響はないものだと思います。

 

一方で、強気に交渉・外交を行うために、より強い制裁をかけていくという考えもあるとも思っています。今では影を潜めてしまった世界の警察たるアメリカを復活させるといったやり方です。たとえインフレになっても、ロシアが原因であると国民に訴えかけ、批判をかわしつつ、一歩もひかない強いリーダーをアピールすることで、国民感情的にも「ロシア憎し、バイデン支持」、とする方法です。個人的にはこちらの選択肢だと行き過ぎて戦争がまさに始まりかねないのではないか、と思ってしまいます。

※そもそも今の状況アメリカ国民ってどういう感情なんでしょうかね。ウクライナ問題は他人事だから積極的に関与すべきでない、と思っている人が多ければ難しいかもしれないですがね。

 

さて、次に今回の主役とも言えるウクライナですが、どこまで本気でロシアと対峙できるでしょうか。今回の独立承認をされた地域は、もとから新ロシア派の武装勢力に実効支配をされていた地域です。首都キエフのすぐ近く、ベラルーシとの国境付近にロシア軍がいる状態で、喉元にナイフがあるような状態であり、アメリカやNATOの後ろ盾なしに、すぐに取り返しに軍を派遣するというところまでは行きづらいでしょう。

ウクライナの気持ちを察するに、ロシアはもちろん、助けてくれないアメリカにも腹立たしい思いじゃないかと想像してしまいます。

 

米ロ首脳会談でどの様な話し合い、落とし所を見つけられるか、が最短での解決だと思いますが、非常に難しいでしょう。

今後は現在の状況がしばらく続き、結局戦争には発展せず、なし崩し的にロシアがウクライナ東部を実効支配している状態が常となるのではないかと予想しています。