飯田グループホールディングス〜ロシアと手を組んだ矢先に〜
ロシアに関して、飯田グループホールディングスについて見ていきましょう。
◯飯田グループホールディングスとロシアの関係性
飯田グループホールディングスは、2021年3月期において戸建分譲住宅46,620戸。マンション分譲1,603戸の戸建住宅に強みを持つハウスメーカーグループとなります。
2021年12月8日に飯田グループホールディングスから、Russia Forest Products(RFP社)社の子会社化の発表がありました。
RFP 社は、世界有数且つロシア最大級の林産企業グループであり、森林認証を取得したその林区面積は約400 万ヘクタール(九州の1.08 倍)です。年間原木伐採量は当社グループの供給する年間戸建住宅(約4万6千棟)の木材使用量(原木換算)に相当する170万㎥(年間伐採許可量410万㎥)を誇ります。
飯田グループホールディングスが供給する戸建住宅の木材使用量に匹敵する林産企業を買収するに至ったのかといえば、背景にウッドショックと言われる木材価格の高騰があります。
ウッドショックについては経済産業省のWebサイトの以下記事、
新型コロナがもたらす供給制約 ; ウッドショックの影響|その他の研究・分析レポート|経済産業省
いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響?|その他の研究・分析レポート|経済産業省
にまとめられていますが、国際的な木材の供給が需要に追いついておらず、そのために木材価格が高騰、入手が困難になってきています。同サイトによると、『木材・木製品・林産物全体の輸入価格は、2021年9月には、前年末日で69%上昇している。』としていて、価格高騰がよくわかります。日本国内にも林産業の企業はありますが、国内の林産業を育てるにしても短時間にはできず、国内産材木も供給不足により高騰している状況となります。
飯田グループホールディングスの発表に戻ると、
主要な住宅用資材である木材を、今般の「ウッドショック」にみられるような需給逼迫時や市況変動に影響されることなく安定的かつ永続的に調達出来るようになり、中核事業である戸建分譲事業の競争力をより高めることが可能となります。
としていて、この安定供給という面が大きいと思っています。需要逼迫、他国との木材の取り合いに負けて輸入ができないとなれば、日本国内に住宅の需要があっても、せっかくの販売する機会が喪失してしまいます。
◯飯田グループホールディングスの株価推移
飯田グループホールディングスの株価推移ですが、2月14日に第3四半期の決算発表をしており、どちらかといえば、コンセンサス予想を下回る四半期決算となった理由での下落の可能性があります。
いずれにせよ、日本はロシアからの木材の輸入量も大きく、ロシアとの交流悪化等、原油等エネルギー資源とあわせ木材価格のさらなる高騰も招き、住宅価格にも跳ね返るかもしれないと想像しました。
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