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日本銀行のETF買い入れについて 過去実施日を分析

日本銀行は、TOPIX連動型ETFJ-REITを金融緩和策の一貫として買い入れを行っています。本日はその話題です。

 

2021年からのETFの買い入れ実績は次の通りです。

日付 買い入れ額 前場下落率 終値下落率
2021/1/4 501 -0.66% -0.56%
2021/1/15 501 -0.51% -0.89%
2021/1/20 501 -0.51% -0.34%
2021/1/28 501 -0.86% -1.14%
2021/2/26 501 -1.92% -3.21%
2021/3/4 501 -1.26% -1.04%
2021/3/5 501 -1.09% 0.61%
2021/3/22 501 -1.11% -1.09%
2021/3/24 701 -2.21% -2.18%
2021/3/30 501 -1.06% -0.78%
2021/4/21 701 -2.17% -1.98%
2021/6/21 701 -2.55% -2.42%
2021/9/29 701 -2.40% -2.09%
2021/10/1 701 -2.03% -2.16%
2022/1/14 701 -2.02% -1.39%
2022/1/25 701 -2.03% -1.72%
2022/2/14 701 -2.02% -1.63%

 

 

日銀のETFの買入れルールは明示化はされていませんが、東京証券取引所前場(9:00~11:30)で下落が大きいときにETFの買入れを行っています。そして、その基準は2021年4月に変更されていると言われています。実際に上表を見ていたけるとわかると思いますが、2021年1月には前場での下落率が0.51%でも買入れされていたのですが、2021年4月以降は最低でも2.02%の下落で買入れが実行されています。

 

今年に入ってからは3回買入れが実施されていますが、その各日中の値動きを見てみます。

 

◯2022年1月14日の場合

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1月14日の株価は、前日のアメリカでの利上げに関する発言により、大幅下落から始まりました。午前中にかけて下げが続きましたが、午後の後場が始まると回復し、その後下げ止まる状態となっています。



◯2022年1月25日の場合

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ウクライナ情勢の緊迫化により、下落から始まりその後もずるずると下落していきます。午後に回復するも、再びずるずると下がっていきました。その後14時以降は回復傾向でした。



◯2022年2月14日の場合

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日本では2月11日〜13日まで、建国記念の日と土日という3連休で市場が休みの中、アメリカの市場が下落し、2日分の下落が反映しました。9時40分ごろからは戻っていったものの、午後にかけて下げ渋った形となります。

 

いずれの日程の場合も午前→午後の間でジャンプアップしている様なイメージになります。2.0%の下落ということが意識されて、午後になれば日銀が買入れをしてくれるはずだ、と回復を狙って買いが入っているのだと思います。

つまり、前場の間にTOPIXが2.0%より下がりそうだとなっていたら、TOPIXETFを買ってみるというのも戦略的にはあるのかもしれませんが、その様な状況だと下落傾向真っ只中ですので、買うのに勇気がいります。先の例の通り、さらに下がる可能性もあるので、余りいい作戦ではないかと思います。