原油価格の急落〜OPECは増産するのか?〜
このブログでも原油価格について何度も取り上げましたが、先日先物価格が急落する事態が発生しました。
こちらはニューヨークWTI原油先物の2月からの日足チャートですが、3月9日に急落していることがよく分かるかと思います。日本経済新聞の記事によると、期近4月物は前日から12.1%安という大幅安となりました。
この下落原因となったのは、UAE(アラブ首長国連邦)がOPEC加盟国に増産を促すというUAE駐米大使のツイッター投稿。ロシア産原油が供給されない代わりに、OPECが増産することで供給量を増やすことが期待されますので、高騰していた原油先物価格に水を掛け沈静化するような言葉になったのだと思います。
様々な企業にとってコスト増懸念がされていた原油の価格に、下がる可能性が高まったということが投資家心理を和らげる効果もあったと思いますし、また、この日はウクライナのゼレンスキー大統領が停戦に向けて妥協余地がある旨を示唆したとの報道もあり、アメリカ株、日本株いずれも急回復をしました。
9日のダウ平均終値は33,286.25ドル。前日から653.61ドル、2.0%増。
10日の日経平均終値は25,690.40円。前日から972.87円、3.9%増。
UAEの発言は「OPEC各国への働きかけ」となっていて、実際に増産することを約束したわけではありません。投機筋も入った先物価格の高騰を沈静化させる働きはあったかもしれませんが、果たしてOPECが実際に増産ペースの拡大を決定し、原油価格は下がるのでしょうか。既に4月の増産ペース維持は発表されているため、今後の動きがどうなるのでしょうか。