まなびの『び』

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JTOWER(4485)が連日ストップ高〜通信鉄塔6,002基取得

JTOWERが連日のストップ高となるニュースが入ってきました。JTOWERの事業内容とどの様なニュースだったのかを見ていきましょう。

 

◯JTOWERの事業内容

携帯電話の通信インフラ設備を設置する際、本来は各通信会社それぞれ別個に整備する必要があり、工事もそれぞれ実施したり、設備も都度必要でしたが、JTOWERは携帯基地局関連インフラに係る装置、アンテナ、工事、構築物の設備投資を一本化し、各社へシェアリングする事業を行っています。

商業施設やオフィスビル等の大型施設内のアンテナ、配線、中継装置等のインフラを共用設備で一本化し、各携帯キャリアへのシェアリングを行うIBS(In-Building-Solution)事業。そして、新規事業として屋外における鉄塔・コンクリート柱・ポール・アンテナ等の携帯インフラを共用設備で一本化し、携帯キャリアへシェアリングを行うタワー事業を立ち上げています。

 

◯3月25日の発表について

3月25日に発表した内容が株式会社NTTドコモ保有する通信鉄塔の最大6,002基を最大1,062億円にて譲り受ける契約を行うといったものです。今後NTTドコモから利用料を受けつつ、また他携帯事業者へのシェアリングを行うことで、その事業者から利用料を受け取るといった戦略をもったものです。

同日開示された『NTTドコモからのタワーカーブアウトに関する説明資料』によると、タワー(通信鉄塔)の数は現在約290基から最大6292基に約22倍へ。売上高も42億円からNTTドコモの契約分だけで現在42億円から最大142億円と約3倍へ。EBITDAも3倍に急成長します。今後この取得したタワーに他携帯事業者での利用を誘致することにより、さらに成長が加速することになります。

実は今回の発表の前、3月14日にNTT東日本からタワー136基を取得することを発表、更に昨年7月にはNTT西日本からタワー71基を取得することを発表していていますが、今回の契約の規模の大きさがわかります。

 

そして更に興味が引かれたのが、本取引を踏まえたタワー事業のポジショニングのところです。

✓新設タワーシェアリングにおいて、5Gを背景に、これまで基盤の無いルーラルエリアと設置場所が限られているアーバンエリアでの基盤を拡大中

NTT西日本NTT東日本及び本件のカーブアウトにより、全国の郊外からルーラルエリアまで日本全土にわたる面的なアセット基盤を構築

✓上記を踏まえ、シェアリングを促進すると共に、携帯キャリアを含む通信事業者からの更なるカーブアウトの拡大を目指す

ということで、今後のタワーの取得の拡大に意欲を見せていることがわかります。今後の成長が楽しみな内容です。

 

◯市場での反応

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発表のあった3月25日の終値が4,330円

土日を挟み、3月28日はストップ高で5,030円(+700円)

翌日の3月29日もストップ高で6,030円(+1,000円)

3月30日にようやく値がついて終値が7,570円(+1,540円)

と3営業日で約75%も上昇しました。

昨年11月から続くマザーズの下落傾向という地合が悪い中での好材料発表でしたので、ここまでにとどまっているのかな、という印象です。まだまだ1月中旬程度の株価に戻ったレベルですので、これからのますますの株価上昇が期待ですね。