まなびの『び』

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ビザスク(4490)の決算発表

本日はグロース株の人気銘柄のうちの一つ、ビザスクの決算を見ていきます。

 

○ビザスクの事業内容

ビザスクは知見プラットフォーム事業の単一セグメントです。有価証券報告書を参照すると、

ビジネス知見を有するアドバイザーと顧客をマッチングし、1時間単位の電話や対面でのインタビュー「スポットコンサル」を設営するサービス「ビザスクinterviwe」及び「ビザスクlite」を提供しております。

具体例として、

コンサルティング会社が業界全体に対する理解を深め、市場動向を確認するための調査

投資ファンド・期間投資家などの金融機関が投資を検討する際の業界調査やデュー・デリジェンス

・事業法人が商品開発の過程で新技術などについて理解を深めるための上方収集

といったことを挙げています。

 

○ビザスクの業績推移

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さてビザスクですが、2022年2月期は売上高は130.8%増と急増したものの、営業利益は▲112百万円、最終利益は▲475百万円と、ともに赤字へ転落しました。

決算短信によると、

連結会計年度における知見プラットフォーム事業は、一部で新型コロナウイルス感染症による影響を受けたものの、法人クライアント口座数の増加により堅調な成長を維持しました。特に、フルサポート形式のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」を中心とする当社サービス群においては、積極的なマーケティング施策により国内事業法人及び海外顧客の新規拡大が寄与しました。

決算短信と同日公表した決算説明資料によると、法人クライアント口座数は前年同期比53%増、インタビューマッチング数は48%増と成長が継続していることがわかります。また、将来性としても役職員数も前年151人から196人へ増加、広告宣伝費を増やしつつ、それでも1契約あたりにかかる費用(CPA)も低減させ、取扱高に対する販管費の率は前年同期比で下げています。強い取扱高の成長性がわかります。

当社は、エキスパートネットワークサービス事業を米国を中心にグローバルに展開しているColeman Research Group, Inc.(略)の発行済株式を2021年11月1日(日本時間)に100%取得し、子会社化しております。これにより、同社の業績を当第4四半期連結会計期間から連結しております。Coleman社は、主に米国におけるコンサルティング・ファームや金融機関を対象にスポットコンサル設営サービスやサーベイを提供しており、当社と類似した事業を展開しております。本買収により、両社がそれぞれ持つアドバイザー登録者基盤、顧客基盤及びプロダクトを相互に活用することができ、これにより様々な事業シナジーを獲得することが可能であると考えております。

営業損失等が発生した理由は、本買収において必要となる費用(営業費用の支払報酬等として688百万円、営業外費用として261百万円、計949百万円)が発生したことによるものです。

と発表をしています。つまり、合併なかりせば前年同期比のプラスになったということとしています。

今後の見通しとして、

当社の主要顧客であるビジネス顧客のニーズは多岐に渡り、仮説構築・検証・意思決定のスピードアップのため、外部知見・潜在顧客の声を活用するニーズはグローバルに高まっている状況です。

Coleman社の合併シナジーも含め、売上高は135.0%増、営業利益、最終利益は黒字化の見通しとしています。

 

○ビザスクの株価推移

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上記の通りの決算の発表でしたが、市場の評価は厳しいものでした。決算発表後の15日の株価は前日比600円(13.8%)マイナスで終わりました。

経常利益は市場予想から大きく下回ったとのことです。ビザスクはグロース株の代表ということで成長性を強く感じさせることがないと大きく売られることがよくわかる反応ですね。上チャート上赤線の75日移動平均線も割っていきました。25日移動平均線(青線)とぶつかった状態。このままさらに下がっていくのでしょうか。