まなびの『び』

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ベイカレント・コンサルテイング(6532)の決算発表

ITコンサルテイングのベイカレント・コンサルティングの決算発表を見ていきます。

 

○ベイカレント・コンサルティングの事業内容

有価証券報告書から事業内容を見ていきます。ベイカレント・コンサルテイングはコンサルティング事業の単一セグメントの企業です。提供するサービスの概要として、

・トップマネジメントの意思決定サポートや課題を解決するため各種支援(全社戦略・事業戦略立案等)を行います。

・事業戦略を実行する各業界の大手クライアントの事業部門やITシステム部門に対して当社コンサルタントが有する専門技術力を活かし、DX(デジタルトランスフォーメーション)による情報技術の融合や変革、ITシステムの導入検討から企画設計、開発、導入、保守運用までの各種支援を行います。

 

○ベイカレント・コンサルティングの業績推移

決算短信を見ると、環境面として、

コンサルティング業界においては、各企業が企業価値の向上を目指すために必要な事業拡大、新規ビジネスやサービスの創出、働き方改革、そして、それらの実行・実現に不可欠なデジタル技術の活用(DX:デジタルトランスフォーメーション)等、企業活動の様々な側面からの支援に対するニーズが強く、この傾向は今後も継続すると予想されます。

という様に、デジタルトランスフォーメーション支援というここ数年の重要なテーマが引き続き強いニーズがある旨を説明しています。決算説明資料には、

DXへの初期投資に成功した企業が、第二弾・第三段への積極投資を開始

とあり、また、

日本企業においてサスティナビリティ経営を推進する動きが急激に加速し、サスティナビリティに関連する新規事業の立ち上げや既存事業戦略の見直し等に関するコンサルティングニーズが急増

と記載があります。この様な記載から、コンサルテイング業界にとって強い追い風が吹いていることがよくわかります。

つまり、これまでの企業は自身の生産能力を高めることを考えていればよかったものの、これまでの方法論から目線を上げて、クラウドビッグデータ、AI、IOTといったIT技術を用いた生産の高度化を考える必要が出てきたり、またカーボンニュートラルやSDGsといった考え方も重要な経営課題となりつつあります。この様な環境下、自社だけで課題解決について考えていくことは非常に難易度が高く、このために外部に委ねる、つまりコンサルティングの役目が発揮されるということになります。

 

2022年2月期については、売上高が34.4%増、営業利益58.8%増、最終利益も55.2% 増と、高い成長が見られます。

上記追い風は2023年2月期においても続く見込みで、売上高23.3%増、営業利益20.8%増、最終利益も18.7%増と引き続き成長を見込んでいます。

 

○ベイカレント・コンサルティングの株価推移

今回の決算発表を受け、株価は前日比3,600円(▲8.4%)のマイナスとなりました。

決算発表に加え、10円の増配、規模は大きいとは言えませんが自社株買いも発表している中で下がりすぎな感はあります。もとからPERはかなり高い状態にあり、サプライズ感がなかったのでしょうか。

なお、昨日は下げた分とりもどしてはおりますので、ひとまず跳ね返された形ではあります。