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日本電産(6594)の決算発表

本日は精密モータ大手の日本電産の決算発表を見ていきます。決算発表と同日に創業者の永守氏の最高経営責任者への復帰が発表されています。

 

日本電産の事業内容

日本電産をセグメントにて仕分けすると、以下の通りです。

SPMS:HDD用モータ及びその他小型モータ

AMEC:車載用製品

ACIM:家電・商業・産業用製品

日本電産サンキョー:機器装置、車載用製品、電子部品およびその他小型モータ

日本電産テクノモータ:家電・商業・産業用製品

日本電産モビリティ:車載用製品

日本電産シンポ:機器装置

その他:車載用製品、機器装置、電子部品およびその他小型モータ

 

現在の日常生活、産業、自動車等々に必要不可欠なモータに高い技術力を持っている企業です。今後の技術革新の中での重要な局面で活躍してくれる企業だと思っています。

 

日本電産の業績推移

早速決算発表内容を見てみますと、

当期の継続事業からの連結売上高は、家電向けコンプレッサや空調機器向けモータ、欧米での搬送用ロボット向けモータ及びギアの増収に加え、今年度より参入した工作機械事業を含む機器装置製品の販売好調により、前期比18.5%増収の1兆9,181億74百万円となり、過去最高を更新致しました。

営業利益は、家電・商業・産業用製品の増収を主因として、また顧客における半導体等電子部品の影響や世界的な原材料高騰に対して、WPR4プロジェクトによる徹底した原価改善及び固定費適正化等を実行した結果、前期比7.2%増益の1,714億87百万円となり、過去最高を更新致しました。

親会社の所有者に帰属する当期利益は、継続事業からの当期利益の増益により、前期比12.2%増益の1,368億70百万円となり、過去最高を更新致しました。

と、売上面、利益面ともに過去最高を記録するという素晴らしい決算発表をしています。さらに次年度においても更に上回る見通しを開示しており、業績は非常に好調であることがよくわかります。

上記にも記載がありますが特に調子が良かったのは、『家電向けコンプレッサや空調機器向けモータ、欧米での搬送用ロボット向けモータ及びギア』であり、この製品グループで増収額は184,977百万円。営業利益も25,142百万円の増益となっています。

 

日本電産は現在進行中の中期経営計画において、2025年までに売上高4兆円を目標に掲げています。なかでも成長を目指しているのが車載、および家電・商業・産業用の分野で、M&Aも含めそれぞれ売上高を1兆3,000億円を目標としています。

車載においてはEV用のモータ、インバータ、減速機の「E-Axle」を採用した車種の販売台数が大きく伸長してきており、2023年期において単年黒字化を目指していたところを2022年期の前倒しに挑戦、これまでの投資に対する回収と今後の収益化を目指しています。このように現在EVシフトの流れは非常に追い風となっています。

また、家電・商業・産業用分野では、省エネ型のモータが好調。また、バッテリーエネルギー貯蔵システムの分野ともなっていて、再生可能エネルギー普及の課題の一つである電気の貯蔵にも貢献しています。

 

なお、次年度の見通しの基礎となる為替は1ドル=110円と保守的においており、場合によっては更なる上積みもあるかもしれません。

一方で、反対に原材料やエネルギー価格の上昇や中国での新型コロナウイルス対策でのロックダウン、経済の下振れリスクなど、どこまで織り込まれているでしょうか。

 

日本電産の株価推移

日本電産の株価は年始から大きく下げ昨年から一段落ちてしまった様な状況です。今回の決算発表、及び永守氏の復帰を受け、2.8%回復をしています。

地合いが悪いなかで、株価の復活があるのか楽しみです。