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オリエンタルランド(4661)が決算発表

東京ディズニーランド東京ディズニーシーを運営しているオリエンタルランドが決算を発表しました。新型コロナウイルス感染症の影響を受けたレジャー施設業界ですが、どうでしょうか。

 

オリエンタルランドの業績推移

オリエンタルランド東京ディズニーリゾートを中心として、東京ディズニーランド東京ディズニーシーを運営するテーマパーク事業と、ディズニーアンバサダーホテル、東ホテル・ミラコスタなどを運営するホテル事業、その他、商業施設のイクスピアリや各施設をつなぐモノレールの舞浜リゾートラインといった事業があります。

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2021年3月期(2020年4月〜2021年3月)は、コロナ以前過去最高であった2019年3月期(2018年4月〜2019年3月)と比べて約3分の1まで落ち込み、利益面は赤字となっていました。

 

今回発表の2022年3月期(2021年4月〜2022年3月)は、売上高は61.6%増、営業利益、最終利益は黒字化しました。1月28日に発表していた業績予想では利益面は赤字で、今回は予想から大きく上回ったことになります。この予想を上回った背景として、

3月1日以降は入園者数の制限を緩和することが認められ、「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に沿って入園者数を段階的に引き上げた運営を行いました。

としています。まん延防止等重点措置適用中であった1月21日〜2月末までは、1日1パーク2万人と制限していたところ、3月1日からはキャパシティの50%まで段階的に引き上げていたとのことです。

結果、入園者数は前期比59.5%増えていますし、またゲスト一人あたりの売上高も8.7%増と、入園者数、単価いずれも増えたことが増収に繋がっています。さらに、単価増の背景にはチケットの変動価格制の導入による高価格帯チケットが要因となります。

確かに私の周囲でも、チケット価格が高いと言いながらもディズニーリゾートへ行った話はよく同僚等からも聞きましたし、好調だったことが想像できます。

 

次年度については、さらに入園者数の上限を段階的に引き上げることを想定し、売上高を47.9%増、営業利益が6.5倍、最終利益が4.4倍と大きく回復することを見込んでいます。

東京ディズニーシーの20周年イベントや、4月5日に開業した東京ディズニーランドトイ・ストーリーホテル等といった活性化策もあります。

 

また配当に関しても2022年3月期が28円だったのに対し、2023年3月期は30円と2円増配を見込むとしています。

 

○市場の反応

上で見てきた様に良い決算発表だったのではないか、と想像していましたが、市場の反応はというとそうでもありませんでした。
4月28日の終値は19,775円と前日から▲2,225円(▲10.1%)と大きく下がってしまいました。市場予測はもっと大きく回復する見込みを立てていたということで、失望が見られたのかと思います。

今後の新型コロナウイルス感染症の流行状況次第ということもあるので、今回のオリエンタルランド側の発表がどこまで保守的なのか等わかりませんが、社会情勢としてより制限解除のポジティブな動きがあれば、期中での見通しの修正もあるかもしれませんね。