まなびの『び』

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エムスリー(2413)の決算発表

医師向けの会員専用情報サイト等を運営するエムスリーの決算を見てみます。

○エムスリーの事業内容

2021年3月期の有価証券報告書によると、

当社グループの事業目的は、「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を1人でも増やし、不必要な医療コストを1円でも減らすこと」です。

と記載があり、医療に関する情報提供等を実施している企業です。

医療従事者向け専門サイト「m3.com」の運営を始めとした情報提供等を行う「メディカルプラットフォーム事業」

臨床研究や治験業務全般の管理・運営を行う「エビデンスソリューション事業」

人材サービスを行う「キャリアソリューション事業」

医療期間の経営支援等を行う「サイトソリューション事業」

アメリカ、イギリス等、海外での医療従事者のプラットフォームを提供する「海外事業」

といった各事業を行っています。

 

○エムスリーの事業内容

エムスリーは右肩上がりの成長を見せる企業で、2022年3月期は売上高が23.0%増、営業利益が64.1%、最終利益が68.8%増となっています。

製薬会社向けのマーケティング支援の需要が堅調に推移

前期において新型コロナウイルス感染症拡大に伴い複数の治験プロジェクトが一時的に停止したこと等の影響が一巡し、回復基調が継続したことに加え、新型コロナウイルス感染症関連の治験プロジェクトも加速している

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い薬剤師を中心に転職動向が低調となったものの、医師向けのサービスが堅調に推移したことに加え、新型コロナウイルスのワクチン接種支援プロジェクトの拡大

提携医療機関の増加に加え、新型コロナウイルスのワクチン接種支援プロジェクトの拡大

(海外)すべての地域で事業が堅調に推移した

と2022年3月期が好調だったことを説明しています。この期は中国でのMedliveが香港市場に上場したIPO関連の一過性の利益309億円があったことも記載されています。

2023年3月期の見通しは発表されていませんが、上記一過性利益が無くなるため、利益増率は数字上は下がってしまうのが想起されてしまいます。

 

○市場の反応

決算発表後の市場の反応としては、終値4,202円、前営業日から▲102円(▲2.4%)の下落となりました。上記業績推移の説明は通期のものですが、1-3月の第4Qで見ると、想定から下ぶれとなっており、これが強く売られた背景となった様です。

2022年3月期は上で説明した一過性利益がなくなり、またポストコロナが見えてくる社会の中で将来が不透明なかもしれないです。