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信越化学工業(4063)の決算分析

半導体ウエハーの世界シェアトップの信越化学工業の決算を見ていきましょう。

 

信越化学工業の事業内容

信越化学工業は2022年3月期から報告セグメントを変更しており、生活環境基盤材料事業、電子材料事業、機能材料事業、加工・商事・技術サービス事業で構成されています。

生活環境基盤材料事業は、環境負荷を抑えてインフラ及び生活を支える事業で、塩化ビニル樹脂、苛性ソーダ等の製品が対象です。

電子材料事業は、電子・光・時期をより良く、至る所で応用するための材料技術を提供する事業で、半導体シリコン等の製品が対象です。

機能材料事業は、求められるより良い機能を多岐に亘り提供する事業で、シリコーンセルロース誘導体等の製品が対象です。

加工・商事・技術サービス事業は、材料の応用とエンジニアリングの活用で課題解決に応える事業で、樹脂加工製品等が対象となります。

 

信越化学工業の業績推移

2022年3月期は売上高が38.6%増、営業利益72.4%増、最終利益70.3%増となりました。

生活環境基盤材料事業は、

塩化ビニル、苛性ソーダともに、需要は堅調に推移し、今年に入って生じた原料事情を踏まえて、製品値上げに取り組みました。

電子材料事業

半導体バイスの世界的な供給不足は以前解消していません。

当社は(中略)半導体材料を最大限出荷しました。

機能性材料事業

世界的に物流混乱が続く中で最大限の出荷に尽力し、原料高に対応した価格修正に取り組みました。

加工・商事・技術サービス事業

半導体ウエハー関連容器の出荷は発送・納入用、行程内用ともに好調で、自動車用入力デバイスの販売も好調でした。

と、各セグメント毎に解説を見ていくと、どのセグメントにおいても売上は好調であり、利益を圧迫し得る原料高に対しても、価格転嫁をして利益を確保することに成功している様子です。

 

信越化学工業の株価推移

信越化学工業半導体銘柄ということもあり株価は2021年3月期に株価は大きく上昇し、高値圏にありました。2022年に入ってハイテク株全体が低迷する中、信越化学工業も頭を抑えられる形となっている様に見えます。

今回の決算発表に合わせて、発行済株数の約1.7%にあたる700万株を上限とする自社株買いを行う旨発表しています。一方で、信越化学工業も2023年3月期の見通しは発表しておらず、好調な決算の割に市場の反応は限定的