まなびの『び』

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FOMC通過。0.5%の利上げ、バランスシート縮小の開始へ。

5月3日、4日に米連邦公開市場委員会FOMC)が開始され、

・0.5%の利上げ

・バランスシートの縮小

というインフレへの対応策が発表されました。

 

利上げについては、3月のFOMCでも行われましたがこのときの利上げ幅は0.25%でした。今回はこれに対して0.5%と規模の大きな水準となります。0.5%の利上げは22年ぶりということです。

また、今後に開催予定の6月、7月のFOMCにおいても、0.5%の利上げについても触れる一方で、さらに高い0.75%の利上げについては、積極的な議論はされていないということも発表しています。

また、新型コロナウイルス禍による経済悪化への対応として市場に現金を供給する目的でFRB米国債などの資産を増やしていましたが、反対にこれら資産を引き締めて市場の現金を減らしていく量的引き締め、バランスシート縮小を6月から開始することを発表しました。

 

○利上げ、バランスシート縮小により何が起こるか。

今回FOMCの決定の背景は、アメリカの高いインフレへの対応です。消費者物価指数は3月に8.5%を記録。果たして今回の対応でインフレを抑え込むことが可能化どうかが最大の問題となります。

また、今回の利上げ、バランスシートの縮小は、債券金利の引き上げにつながる対応となりますが、これにより例えば企業が借りる事業性融資や、住宅ローンの金利が上がるということに繋がってきます。

インフレの進行と、債券金利の上昇のいずれが、より経済にデメリットを与えるかという判断になると思いますが、妥当なレベルに落ち着くか非常に難しい調整が必要担ってくるものともいます。

 

FOMCの結果をうけ、5月4日のアメリカの株価市場は概ね良い受け止めを行った様で、株価は大きく伸長しました。ダウ平均は934ドル(2.8%)の上昇となりました。

これは、今回のFOMCの発表においてもっと踏み込んだ、タカ派な発言があったのではという予測のもと、想定内に収まったという結果に基づくものだったと思われます。今後の利上げについても一定織り込まれていったものと思いますが、今後どこまで悪影響が出てくるのか、特に利上げ影響が大きくなるグロース系の銘柄について注視していきたいと思います。

 

〈追記〉

5月5日のアメリカ市場は反転して大幅安となりました。ダウ平均は1063ドル(3.1%)の下落。前日上昇した分なかったことになってしまいました。ハイテク株の多いナスダックは約5.0%と大きく下がりました。