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リクルート(6098)の決算発表

本日はリクルートの決算を見ていきます。時価総額が大きく、日経平均への寄与度が高くなる銘柄のうちの一つです。

 

リクルートの事業内容

リクルートといえば人材派遣事業のイメージが強く、2022年3月期時点での売上高基準で約半数が人材派遣事業が占めています。

その他、HRテクノロジー事業、メディア&ソリューション事業を行っています。

HRテクノロジー事業は、テクノロジーを活用した求人広告や採用ソリューションサービスを提供ということで、CMもよく聞くIndeedなど求人情報プラットフォームを提供しています。

メディア&ソリューション事業では、販促事業と人材領域に分かれており、販促領域ではSUUMO、HotPepper Beauty、じゃらんスタディサプリ、Air ビジネスツール図、といった住宅、美容、旅行、飲食などのソリューションを、人材領域ではリクナビタウンワークなど人事関連のプラットフォームやメディアを運営しています。

端的に言えば、メディア&ソリューション事業の販促事業を除けば人事関連事業の企業、ということになります。

 

リクルートの業績推移

2022年3月期は好調な1年だったように思えます。売上高は前期比26.5%増、営業利益は132.7%増、最終利益は125.9%増と大幅な増益となりました。

この好調を牽引したのはHRテクノロジー事業で、

強い採用需要が世界的に継続し、Indeed及びGlassdoorが提供する求人広告を中心とした採用ソリューションサービスに対する需要が増加した

としています。また、人材派遣事業をみても、

欧州、 米国及び豪州では、 事業の再開や拡大のため派遣需要が増加しました。特に欧州のEコマースに関連する物流分野における人材需要や、 新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を受けた医療分野での需要の増加

したとしています。人材サービス事業のニーズが非常に旺盛であったことがよくわかります。例えば新型コロナウイルスからの経済回復を図っているアメリカでは、より高い給与を求めて転職を行うといったニーズがあり、それが人件費の高騰、そしてインフレの要因にもなっているのですが、リクルートは恩恵を受けているということになります。

 

業績見通しについては、

当社のHRテクノロジー事業、 メディア&ソリューション事業の人材領域及び人材派遣事業を含む人材マッチング事業の売上収益は、 世界各国の経済環境の変化を含むさまざまな要因を背景とした企業クライアントの採用需要の急激な加減速、 また求職者の求職活動の変化に大きく影響を受けます。

 当社は長期戦略の遂行を通じた企業価値の最大化に向けて臆せず邁進し、 将来の成長に資すると考える既存事業への投資や事業買収を積極的に実行していきます。同時に、 企業クライアントを取り巻く経済環境が急激に悪化する局面では当社の人材マッチング事業と販促事業両方の売上収益が急激に悪化する可能性があり、 その場合には2021年3月期の上半期に行ったようなコスト抑制施策を迅速に実行する準備があります。

という様に、今後の経済環境に左右されつつも、利益確保については強気に対策をとっている様です。

とはいえ、利益面についてはは開示しておらず、3兆3,000億円、前期比14.9%増収となる2023年3月期の業績見込みを発表しています。

 

リクルートは年初から下降トレンドにありました。今回の決算を受けて2%ほど反発をしたのですが、25日移動平均を少し超えたところで始値でここがほぼ高値になっています。引き続き下降トレンドが続くのでしょうか。