まなびの『び』

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さくらインターネット(3778)の決算発表

クラウドサービスの新興、さくらインターネットの決算分析です。

 

さくらインターネットの事業内容

さくらインターネットの運営するデータセンターに顧客所有の通信機器類を自由に設置できるスペース、必要な回線、電源を貸与するハウジングサービス。ソフトウェアのインストール等自由度が高い物理サーバの専用で利用できるサーバ、専用サーバ。物理サーバを物理サーバを複数の顧客が共同で利用するレンタルサーバ、専用で利用できるマネージドサーバ。仮想サーバを構築し専用サバーのように利用できるサービスのVPSクラウドサービス。という様にエンドユーザにサーバサービスを提供する事業を行っています。

 

さくらインターネットの業績推移

2022年3月期のさくらインターネットは、売上高▲9.7%減、営業利益▲44.4%減、最終利益は▲63.7%減と大きくブレーキのかかる業績となっています。

その中でも、クラウドサービスが順調に推移し2021年10月に公表した業績予想に対し1.6%増、利益面も経営資源の集中化といったコスト最適化により、営業利益が19.2%増、最終利益45.0%増となっています。

苦戦した背景としては、政府系大口案件の契約期間満了となります。これは2021年3月期の決算短信の時点で既に発表をしていたもので、後ほどチャートも見ますが市場の反応としては既に織り込み済みの内容となっています。

 

決算短信によると、さくらインターネットの市場環境として、以下記載しています。

クラウド・インターネットインフラ市場は、デジタルトランスフォーメーションが進むなか、すべての企業で第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術)の利用が加速し、企業ITインフラのクラウドへの急速な移行やデータ量の爆発的な増加が予想されており、当社グループの属する市場は今後も拡大が継続すると見込んでおります。

今後の見通しの項目でも、

既存の公共系大口契約が期間満了することに加え、物理基盤サービスの減少傾向は継続いたしますが、クラウドサービスが順調に伸長して増益と見込んでおります。利益面につきましては、売上高の増加に加え、前期より取り組んできたクラウド集中体制の移行によるデータセンターや物理基盤サービスに関する既存リソースの効率化、最適化の進展等により、増益と見込んでおります。

としていて、2023年3月期の業績予想を売上高1.7%増、営業利益82.1%増、最終利益190.4%増という2021年3月期並となる予想を開示しています。

 

○市場の反応

 

さくらインターネットの株価は、上記の説明にあった大口案件の満了による2022年3月期の減益減収の見通し発表をきっかけとして下落トレンドが続いていました。2月をひとまずの底として横横した後、3月に入り回復傾向に転換したか否か、となってきたところで、今回の発表となりました。

発表翌営業日の4月28日は終値ベースで565円と前営業日から35円(6.6%)上昇しました。その後も上昇を続けて直近4月5日の高値も超えてきましたが、その後は再び横横する展開となっています。