まなびの『び』

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EUがロシア産原油を一部禁輸、インフレ懸念が再び、OPECはどう動くか。

5月31日の朝、次のニュースが速報で入ってきました。

news.yahoo.co.jp

 

これまでは一部加盟国が反対していたロシア産石油の輸入を禁止について、EUが合意をした、という内容です。これまでも何度か議論されてきましたが、代替での確保が難しい加盟国が反対をしていたため、難しいと言われていました。

禁止されるのは海上輸送による石油についてで、パイプラインで供給される分については禁止対象外、つまり引き続き供給されるとのことですが、となります。それでもロシア産石油の3分の2が輸入されなくなるとのことです。

 

 

これを受けてイギリス産の原油価格であるブレント原油価格は上昇。もともとロシアのウクライナ侵攻の前から上昇傾向はありましたが、ウクライナ進行に対する制裁でさらに大きく価格上昇されてきました。

 

これによって懸念されるのは、この原油価格の高騰により、再び物価が上昇する可能性が高まるということです。

実は直近のアメリカの物価は上昇幅が若干鎮静化しつつあるという状況で、FRBの利上げ等の効果が現れてきている、つまりこれ以上タカ派な利上げ等は行われないのではないか、と市場が好感している様な状況でした。しかし、今回の原油価格高騰により物価上昇がさらに高まり、追加の利上げつながるおそれが生じます。

 

ダウ平均株価は5月中旬以降に、それまでの値下がりトレンドから転じて回復を目指して好調でした。しかし、今回のロシア産原油禁輸の報道を受け、再び強くマイナスとなってしまいました。

 

しかし一方で、Bloombergの次のニュースによると、

www.bloomberg.co.jp

 

OPEC)一部加盟国は既に向こう数カ月内の増産を計画し始めている

という記載があり、この報道が真実であれば、一定の石油価格緩和に繋がります。果たし実際にOPEC会合からどの様な発言が出てくるのでしょうか。

OPECプラスの第29回会合は6月2日開催予定で、本ブログが掲載されるころには情報がでてきているでしょうか。