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積水化学工業(4204)の決算

本日取り上げる決算発表は積水化学工業です。

 

積水化学工業の事業内容

そもそも積水化学工業は、住宅「セキスイハイム」等を取り扱う「住宅カンパニーセグメント」、配管や建材等を取り扱う「環境・ライフラインカンパニー」、エレクトロニクス、モビリティ、住インフラ材等の分野向けの製品を提供する「高機能プラスチックスカンパニー」、この他メディカル分野や、フィルム型リチウムイオンやゴミ焼却施設で発生するガスをエタノールに変換する技術、スマートシティなどの新事業開発も行われています。

もともとは日本最初のプラスチック射出成形事業をスタートさせるなど、プラスチック製品のメーカーとして誕生した積水化学工業ですが、現在では住宅メーカーとしてのイメージが強く、実際に売上の45%程が住宅セグメントによるものとなっています。

 

積水化学工業の業績推移

積水化学工業の2022年3月期は、売上高が9.6%の増収、営業利益は32.1%、経常利益が54.8%増益するも、最終利益は10.8%減益となりました。経常利益については過去最高益を更新しています。最終利益が減益した背景には、米国の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等複合材成型品を手掛ける連結子会社について減損損失を計上したことによります。

好調を牽引したのは、高機能プラスチックスカンパニーの業績で、セグメント売上高が15.8%増収、営業利益も46.4%増益となっています。

当期は半導体不足や輸送コンテナ不足の影響を受けましたが、自動車、エレクトロニクスなどの市況が COVID-19 の影響から一定程度回復し、増収となりました。営業利益については、想定を上回る著しい原材料価格の高騰の影響を受けましたが、高機能品を中心とした販売数量の拡大、売値の改善およびコスト削減により挽回し、大幅な増益となりました。

と販売数✕販売価格ともに上昇した様子です。

その他、住宅カンパニーでも売上棟数が増え部材価格高騰の影響を打ち返し、環境ライフラインカンパニーも売値の見直しで増収増益となっています。

やはりコスト増を価格に転嫁できる事業者は好決算となっているパターンが多いですね。

2023年3月期については、原料価格の高騰を想定しながらも、各セグメントともに好調を維持することを想定、想定通りであれば過去最高益を更新する見通しとなっています。

 

積水化学工業の株価推移

積水化学工業の株価は2022年2月中旬に崩れて下降、その後2022年3月末に一定回復するも再度下降、という状況で今回の決算発表でした。発表後は顕著な回復傾向が見られます。もともとは1900円台で横横する展開でしたから一気に超えてくれると面白いのですが。。。