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田中化学研究所(4080)の決算発表

田中化学研究所について決算を見ていきます。この銘柄は以前リチウムイオン電池銘柄で取り上げています。

 

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田中化学研究所の事業内容

田中化学研究所は主に、リチウムイオン電池向けやニッケル水素電池に使用される正極材料を生産しています。詳細は以前の記事をご参照ください。

 

田中化学研究所の業績推移

2022年3月期の売上高は78.1%と大きく増収。前期は赤字だった、営業利益、最終利益も黒字に転換しております。田中化学研究所決算短信および決算説明資料を参照していきます。

温室効果ガス削減の動きにより、EV市場が急拡大している一方で、半導体不足も相まって、期末にかけては需要が急減。リチウムイオン電池向け車載用途製品の販売数量は前事業年度比80.7%と好調でした。

製品の原料となるニッケル、コバルトの市場価格は、電池需要の拡大、地政学リスクによる急騰もあり、これが価格に反映し、売上高増加、利益面も増益要因となっています。

一方で、新規設備稼働による減価償却費や、組織人員体制の強化による労務費が増え、コストは増加しているとのことです。

 

2023年3月期については、売上高が70,000千円と72.7%とさらに大きく増収する見込みとしながら、利益面では再び赤字に転落の見通しとしています。

販売数量は微増にて見込む中で、原材料価格の上昇、設備投資に伴う減価償却費、人員採用による労務のコスト増を見込んでいる状況です。

詳細については特に記載はありませんでしたが、2022年3月期は上期が好調ながら下期はややブレーキがかかっていた様子です。これに対して2023年3月期は上期がブレーキかかっている状態で見込みをたてているのではないか、と推察しました。

 

田中化学研究所の株価推移



田中化学研究所リチウムイオン電池への期待感、今年度上期の好業績を受けた発表を受けて昨年11月ころから強い上昇をしました。しかし年明け以降は地合いに引っ張られ、ずるずると下がってきてしまっています。最近はグロース株が弱く、好業績な見通しがないと株価はつらい動きになっている傾向です。