まなびの『び』

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物価高への対策について

7月10日投開票日の参議院が、22日に公示されました。参院選は3年ごとに議席の半数を改選する仕組みとなっておりますので、与党はすでに自民党公明党をあわせて69議席が非改選で保有しているため、改選定数124議席のうち、56議席を取れば非改選をあわせて過半数を超えることになります。

 

さて、国が変わりますがフランスでも先日6月19日に国民議会選挙が行われ、マクロン大統領が率いる与党勢がそれまでの350議席から246議席と大きく議席を減らして、過半数に届かず苦戦したという報道がありました。

www.jetro.go.jp

背景の一つとして、物価高が挙られているのですが、これは日本でも同様の課題であり、日本の参議院選挙での大きな争点の一つとなります。

 

www.nhk.or.jp


上記リンクを参照すると、各党の物価高対策は以下の通りとなります。

 

自由民主党最低賃金の引き上げ。燃油価格の激変緩和策の継続。

立憲民主党:消費税5%へ引き下げ。トリガー条項発動。

公明党最低賃金の年率3%以上の引き上げ。

日本維新の会:消費税減税、ガソリン税減税、中小企業減税など。

国民民主党:消費税5%へ引き下げ。インフレ手当10万円給付。

日本共産党:消費税5%へ引き下げ。大企業の内部留保への課税。

れいわ新選組:消費税廃止、ガソリン勢廃止、季節ごとに10万円給付。

社会民主党:消費税3年間ゼロ。大企業への内部留保課税。

NHK党:消費税、社会保険料の引き下げ。

 

野党は消費税の減税による国民負担を抑えていくことを公約としています。

日本の物価は現在昨年比約2%ですが、この水準であれば現行の消費税8%(軽減税率適用後)が5%になることで、物価上昇分を吸収することができるようになります。

ただし、これは消費者物価指数が2%であればという前提であり、仮に欧米の様に8%に達すれば消費税をさらに引き下げる必要がでてきます。消費税を含めた見積もりや領収のシステム的に組んでいる場合ですと修正は容易ではなく、早急に引き下げが可能なのか疑問です。

そう考えると、物価高分に相当する金額の現金支給がよいのではないかと考えてしまいます。

 

厚労省の発表した以下の資料を見てみます。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf

 

例えば日本の階級別世帯の年収中央値が437万円です。この世帯が仮に貯蓄ができない世帯、つまり収入=支出とすれば、年間支出額437万円となります。

これが2%の物価が上がれば、年間8.74万円の支出が増えることになりますので、1世帯9万円支給すれば、日本の過半の世帯を物価高から守ることができるといえるのだと思います。

年収が高い世帯は支出も多いはずなので、物価高を完全にカバーすることはできませんが、一律支給であれば累進性の観点からはOKとしてよいでしょう。