まなびの『び』

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サハリン2のロシア新企業への無償譲渡

三井物産三菱商事が権益を持っているロシア、サハリン州の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」。これを新しく設立させるロシア企業に無償で譲渡を行うことを命じる大統領令にロシアのプーチン大統領が署名しました。

news.yahoo.co.jp

サハリン2はその27.5%の権益を持っていた英シェルが撤退を発表しており、三井物産三菱商事の持つ権益について、どのような対応がなされるか注目されていました。

 

manabinobi.hatenablog.com

 

記事によると、今回新設する企業の株式を、三井物産三菱商事は取得に同意をすることができるものの、ロシアに申請をし、認められる必要があるとのことです。ロシア側に有利な条件が必要な可能性があり、三井物産三菱商事の権益が守られるかどうかは不透明です。

 

サハリン2の天然ガス生産量は年間1,000万トン。うち600万トンが日本向けに輸出されているとのことで、日本の天然ガスの9%を占めています。そこまで情報は出ていないものの、仮に日本への供給停止が行われた場合、日本の火力発電に多大な影響を与えることになります。

仮に供給停止でなくとも、価格の上昇などの可能性もあります。こうなると燃料価格が上昇し、例えば東京電力などの電力会社の業績が悪化する可能性がありますし、新電力事業者のさらなる縮小もありえます。

 

脱ロシアを進めるにしろ、原子力発電はまだまだ再稼働のためにふまなければならないステップが多く、再生可能エネルギーによる発電はコスト高であるため、すぐには難しい状況です。日本は苦しい立場に立たされています。

 

三井物産三菱商事の株価について

三井物産

三井物産の7月1日の株価は前日比165円(5.5%)のマイナス。

三菱商事

三菱商事の7月1日の株価は前日比217円(5.4%)のマイナス。

いずれも大幅に値下がってしいまいました。