まなびの『び』

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スリランカが「破産」を宣言。インド洋の国際情勢について。

 

news.yahoo.co.jp

 

南アジアのスリランカが破産を宣言したというニュースについてです。

 

スリランカ民主社会主義共和国インド半島南東、インド洋にある島セイロン島に位置する島国です。主な産業は観光業や農業。日本との貿易を見てみると、日本はスリランカから紅茶や衣類の輸入しており、反対に日本からは自動車、機械類を輸出しています。また

 

さて、そんなスリランカですが、今回国家破産を宣言しています。これは経済危機により財政が破綻している状況ということです。新型コロナウイルス感染症により観光業が大打撃を受け外貨を稼ぐ力が非常に弱まりました。

資源価格の上昇、通貨価値の下落にともないスリランカにおける物価が急激に上昇。記事によると『インフレ率は年末までに60%に達する見通し』としています。

 

 

www.bloomberg.co.jp

 

bloombergの記事によると、スリランカ中央銀行政策金利を1ポイントつまり1%引き上げて15.5%としたとしています。政策金利を引き上げることでスリランカの通貨スリランカ・ルピーの供給量を減らし、インフレ対策を行っている状況ですが、非常に懸念される状況です。

 

気になるのはこのようなスリランカをどこが助けの手を伸ばすか、という点。もともとスリランカは中国と関係が強くなってきており、中国のバックアップで、港湾整備等が実施されている現状があります。その中で2017年にはスリランカ南部のハンバントタ港を99年間中国企業に貸し出されています。港湾整備のために中国から投資を受けたにもかかわらず、返済ができずに施設を引き渡したような形、「債務の罠」とも言われてもいます。

 

スリランカはその地理的に重要な位置にいます。依然IPEFについて、インド太平洋地域の経済枠組みとして紹介しました。

manabinobi.hatenablog.com

これは対中国を念頭においた経済連携ですが、インド洋、太平洋を抑えて中国の海洋進出を抑える動きにもなりますが、そのインド洋に中国に頭を抑えられたスリランカがいる、という構図になっています。

ただし、中国としても採算が見込めない投資を続けるのか、という観点もあるかもしれません。果たして今後のスリランカが現在の国際情勢の中で、どのような再建計画を立てるのでしょうか。