まなびの『び』

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良品計画が苦戦。業績見通しの下方修正。

雑貨や衣料、食品など多くの分野で「無印良品」ブランドを展開する良品計画ですが、第3Qでの決算発表がありました。その前には業績見通しの下方修正の発表がありました。

今回の下方修正の発表は営業収益の修正はないものの、利益面を下方修正をしています。この理由として、以下の点を挙げています。

価格プロモーションによる値引き強化、衣服・雑貨の販売苦戦に伴う値下げ処分、および急激な円安に伴う為替影響、加えて物流コスト上昇圧力に伴う物流費の悪化

円安についてはメリット、デメリット両方あると思いますが、良品計画についてはデメリットの方向に触れた様です。

良品計画の2022年8月期第3四半期決算短信によると2021年9月から2022年5月までのセグメント別の営業収益を見ると、全体の営業収益370,756百万円のうち、国内セグメントの営業収益は237,006百万円。つまり、およそ63.9%を占めています。残りの36.1%が東アジア事業、東南アジア・オセアニア事業、欧米事業の海外での事業ということになります。

国内事業においては、円安による仕入れコストが増加することが考えられます。資源高による運搬費のコストアップが、利益の圧迫となっている様です。

第3四半期決算説明会資料には、販管費が詳細に説明されています。

項目別に見ると宣伝費を除く全ての項目で販管費が増加していることがわかりますが、中でも運搬・配送費は前期比122.0%(+22.0%)と大きく増加していることがわかります。

人件費についても増えていますが、『賞与の増加、新型コロナ助成金の反動等による影響を考慮すると、営業収益対比横ばい』としており、また借地借家料も出店が増えれば高くなるものですから、仕方のない部分かと思います。

 

この運搬・配送費である輸送費コストの上昇は、物流業者の人件費増大や燃料費の上昇といったものが背景ですから、影響度の違いはあれどほとんどの企業にとって共通しやすいものであり、業績悪化となる企業が多いと思います。特に小売店などのコスト増を価格転嫁しにくい業界は厳しいものになります。今月下旬頃から4-6月期の四半期決算が発表されるケースが多くなるともいますが、同様の利益率ダウンにつながる企業が出てくると思います。