まなびの『び』

投資運用、業界研究、時事、その他学んだことを

風力発電の風車メーカーの日本戦略見直しについて

このブログでも何度も取り上げた洋上風力発電に関しての話題です。長崎で工場建設を予定していた風力発電風車メーカーのデンマークのべスタスが工場建設計画を中止するといったニュースが入ってきました。

www.nikkei.com

洋上風力発電については国内メーカーは風車製造を行っておらず、デンマークのベスタス、スペインのシーメンスガメサ・リニューアル・エナジーアメリカのゼネラル・エレクトリックの3社が世界の3大メーカーとされています。このうちベスタス社が日本での工場建設を検討する旨の報道があったのが2021年9月頃でした。これは今後の日本での洋上風力発電の拡大を期待してのことと思われます。

 

ところが日本の洋上風力発電事業の選定は揺れます。

manabinobi.hatenablog.com

2021年12月末に日本の3海域での水上風力発電所の事業者選定結果の発表がありましたが、いずれの海域もコスト面で他社を圧倒した三菱商事を含む企業連合が選定されました。三菱商事アメリカのゼネラル・エレクトリックの風車を受注するとのことで、ベスタスの風車は選ばれませんでした。このことから、ベスタスにとって日本に工場を建設するメリットが薄まったのではないかと思います。

これらの理由だとすれば、ある意味仕方のないことだと思いますが、日本に工場があることにより、輸送コストが減る、雇用が生まれる、税収が増えるといったメリットがあるのだと思います。また、経済安保の面からも重要です。その観点から戦略的にどのような姿があるべきかが重要になってきます。

特にコスト面は重要で、再生エネルギー発電を普及させることの大きな壁といえます。特に日本の場合は台風が発生するなど風災の影響が大きな地域ですから、風力発電にとっては強度も重要です。色々な目線で企業を選択する必要が今後出てきそうに思います。