まなびの『び』

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そもそも利上げとは?①利上げをすると何が起こるか?

これまで当ブログでアメリカの利上げ、スイスやEUでも10年以上ぶりの利上げ、一方日本では利上げせず、といった話題を繰り返ししてきましたが、そもそも利上げとは何か今更ながら整理をしていきます。なお、毎度のことながら、あくまで自分の整理用ですので間違っている可能性がありますので、間違っていたらそっとしておいてください。

政策金利とは

このブログで取り上げている「利上げ」とは、一般的に政策金利を引き上げることを指しています。政策金利とはその国の中央銀行が設定する金利を指しています。中央銀行の「銀行の銀行」という役割の中で、一般の民間銀行に融資する際の金利となり、民間銀行と個人や企業との間での預金や貸出の金利に影響を与えることになります。

マイナス金利政策について

日本では2016年からマイナス金利政策を採用しています。民間銀行が日本銀行に預ける当座預金のうち、法定準備額を超える部分について金利をマイナス、つまり預けた側が金利を支払うこととなっています。こうなると民間銀行としては法定準備金を超えて預けると損をすることになってしまうため、他の収入源として企業へ貸し出しを増やすなどの行動を促す政策となります。

これにより企業が資金を借りやすくなるため、企業はキャッシュフローが改善して新たな設備投資を行う、従業員を増やすなど、将来の営業活動を伸ばすための投資活動を行いやすくなります。

利上げを行うとどうなるか。

政策金利を引き上げると、民間銀行が企業に貸し出す金利も上がりますので、借り入れしづらくなり、設備投資がしづらくなります。

特に短期借入がしづらくなるのが影響が大きいのではないかと想像します。短期借入金は当座の運転資金が不足することの資金繰りに使用されることもあり、キャッシュフローが脆弱だと黒字倒産の可能性も出てきます。黒字倒産までいかなくても、賃金上昇を行うことは後回しになってしまいます。

また、家計でも住宅ローンなどの債務の変動金利が上がるという影響がでます。さらに上述の賃金上昇が後回しになる状況であれば、家計の消費意欲が落ち込んでいきます。

この様になると経済成長が停滞していくことになります。

 

以上のことを考えると、利上げをすることが悪のように思えますが、それでもアメリカやEUは利上げを行うことに踏み切りました。なぜ利上げを実行したか、一方で日本銀行は利上げを行っていないのでしょうか。