まなびの『び』

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グリーントランスフォーメーション(GX)について

7月27日に「第1回グリーントランスフォーメーション実行会議」が開催されました。

内閣官房サイト(GX実行会議(第1回))に資料が掲載されています。この分野は今後の日本の経済戦略、投資戦略の方針が定まり、関連銘柄は国策となって行くかとおもいますので、勉強しておきます。

 

まずは日本がおかれている現状のエネルギーについての課題の現状分析がされています。

 

足元のロシアによるウクライナ進行により、電力供給の懸念について触れています。今後のエネルギーの安定供給を保つために、エネルギー源やその調達先の「多様性」と、「レジリエンス」災害等が発生した際の抵抗力とそこからの回復力をともに高める必要があるとしています。

 

最近の電力ひっ迫については、以下5つの要因としています。

電力自由化の下で供給力不足を回避するための事業環境整備の遅れ(再エネ拡大により稼働率が低下した火力の休廃止が加速)

原子力発電所の再稼働の遅れ

③近年の世界的な脱炭素の加速に伴う影響(新設火力プロジェクトの中断)

地震などの自然災害の多発による供給力の低下

⑤想定を上回る気象状況などによる需要増大

 

脱炭素への世界的な流れの中で、日本は新たな火力発電所の建設はできておらず、さらに東日本大震災発生に起因する福島第一原子力発電所事故依頼、原子力発電所は再稼働ができていません。これにより電力の供給量が拡大できていません。今夏の需要増大にたいしても、休止していた古い火力発電所を突貫でメンテナンスを行いギリギリで備えたものです。電力需要はクーラー使用が多い夏よりも、暖房使用が多い冬の方が多いもので、2023年1月は日本のほとんどの地域で電力が安定供給できない懸念があります。

④、⑤については、自然現象によるものですから一定不可抗力の面もありますが、日本はこれら自然災害が多発する国土を持っているため、この様な状況下でも耐えられるエネルギー政策を取る必要があるでしょう。

 

また、日本のエネルギー源の40%を占めているLNG液化天然ガス)ですが、足元ロシアからの供給が停止される懸念があります。日本が輸入するLNGの8.8%をロシア、特にそのうち9割以上をサハリン2由来のものという状況です。そして、LNG価格も世界的な需要逼迫により高騰しています。

 

このような状況を踏まえた上で、脱炭素に受けた経済・社会、産業構造変革の今後10年のロードマップを検討していくのですが、それは次回以降見ていきます。