グリーントランスフォーメーション(GX)について②
引き続き、グリーントランスフォーメーションについて見ていきます。
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①GX経済移行債の創設
今後10年間で官民合わせて150兆円の投資を行うこととしていますが、民間の投資を呼び込むために、政府が将来の財源の裏付けをもった「GX経済移行債」を発行することで調達するとしています。
投資先の例として、再生エネルギー、水素・アンモニア、蓄電池などを始め、省エネ性能の高い住宅、次世代自動車、半導体製造拠点、データセンター、水素還元製鉄などが並びます。
②規制・支援一体型投資促進策
そして、投資による効果を最大限化するために、規制・制度の面も踏まえて考えるとしています。
例として水素分野については、研究開発から商用化に以降するにあたり、将来に渡り支援制度を導入することで供給面、需要面双方にとって、安定的に増えていくことが予見されればそれぞれが先行投資をしやすくなります。
③GXリーグの段階的発展・活用
GXリーグは経済産業省が今年2月に公表した構想で、産官学協同して2050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えたGXはへの挑戦を行う取り組みです。440社が賛同して立ち上がったところです。排出量取引についての議論、2050年のカーボンニュートラル社会化における市場創造、ルール形成といったものを議論する場となっています。
今後、さらなる参加者の拡大と削減目標の設定、投資拡大に向けた施策を検討していくとしています。
④新たな金融手法の活用
グリーンファイナンス、トランジションファイナンス、イノベーションファイナス等、投資手法を拡大させる。企業の情報開示などの基盤整備を行います。
⑤アジア・ゼロエミッション共同体構想など国際展開戦略
アジア・ゼロエミッション共同体構想の実現による協力体制の強化するとしていますが、アジア・ゼロエミッション共同体とは、2021年に表明した構想で、アジア諸国と連携して、技術開発、資金調達、国債標準の制定、人材育成、知見の共有、カーボンクレジット市場の創出といった連携を行うものです。
これ以外にも先進国とのイノベーションへの共有として、脱炭素にかかるコストを低減されることも検討していくとしています。
まとめ
グリーントランスフォーメーションを実現するために、10年間で官民あわせて150兆円もの投資を実現するとしています。このために何をすればよいか、がGX実行会議の立ち位置ということになります。
実現のために規制改革などを通じた産業発展や導入支援といったことを行い、投資しやすい環境づくりを行っていくことになります。
一方で今後、GXに資する分野に対して投資実行されていくとするのであれば、企業にとっては自己の企業がGXに資する取り組みを行っていくということをアピールすることで外部からの資金が流入しやすくなるということになります。
例えば株式銘柄を選ぶにしろ、中長期的な投資を行うスタイルであれば、その企業が数年後に向けてどの様にGXに取り組んでいくかを見ていくことで、外部からの投資が生まれやすい取り組みか、という目線でみることも重要になっていきそうに思えます。