楽天グループの証券事業再編と上場準備について
楽天グループ(4755)が8月10日に決算発表を行いました。合わせて発表したのが楽天証券を始めとする証券事業についてグループ再編を行うとのことでした。
現在楽天証券株式会社の株式は楽天カード株式会社が100%保有をしているということで、楽天カード株式会社の子会社ということになっています。
5月24日に楽天証券株式会社の上場準備を行うことをすでに発表していてそれに向けた準備ということになります。
楽天証券株式会社、投資信託の運用を行う楽天投信投資顧問株式会社、そして暗号資産取引事業の楽天ウォレット株式会社の3社について、今回新設する楽天証券ホールディングスの子会社とする様に再編を行い、この楽天証券ホールディングスが上場申請を行うことになります。
楽天グループの中では楽天証券の他、楽天銀行も上場に向けた準備を行っており、7月4日に東京証券取引所へ上場申請を行っており、現在上場審査を受けている状況です。
楽天市場などのネット通販は、一般的に必要なものがあるから購入するということがほとんどだと思います。つまり必要がないときには利用されないサービスということになります。それだけでは、より安い店舗があればそちらに流れてしまう可能性があります。
しかし、楽天銀行に口座があり給与の振込口座に設定されていれば、変更することは比較的容易ではなくなります。あるいは楽天証券で積立投資信託の購入を設定していれば、これらは長く積立をするものですから、離れにくくなります。証券会社の移行もできますが、コストもかかりますし、メリットは大きくありません。
つまり、楽天銀行や楽天証券でお客様になってくれれば、長期的な楽天グループのサービスの利用者になってくれる。このようなメリットがあるのだと想像しています。
この様に考えると楽天グループが楽天銀行や楽天証券に力をいれていくことも納得がいきます。上場をすることで資金を調達し機能強化を図り、顧客数を増やすことでそれが楽天グループに還元されていくという構図が描けるか、個人的には楽しみに思っています。