みずほ銀行にマイナス金利適用
今回気になって調べたニュースはみずほ銀行にマイナス金利が適用されたというニュースです。
以前の記事で少し金利について触れた際にマイナス金利政策について記載しました。
マイナス金利政策の適用について
民間銀行は「銀行の銀行」である日本銀行に口座を持っていて資金を預けています。この口座を日銀当座預金といいますが、この預け入れをしている残高に対して利息がつきます。法定準備金を超えて預けている部分についてこの金利がマイナス0.1%となっていて、預けている銀行側が日本銀行にお金を支払うペナルティの様なものです。銀行としては本来損を避けたいので、預け入れるのではなく資金を利用して別の投資先へ投資を行うことでお金を増やしたいところです。
ところが8月16日の報道で、みずほ銀行が3メガバンクとしては半年ぶりにマイナス金利が適用されたことがわかりました。
なぜみずほ銀行はマイナス金利であっても日銀にお金を預けることにしたのでしょうか。
みずほ銀行のポートフォリオ
上図は8月12日にみずほ銀行が公表した2022年度第1四半期決算財務関連資料(https://www.mizuho-fg.co.jp/investors/ir/briefing/pdf/20220812_1.pdf)という資料
よりB/S(貸借対照表)となります。
資産の部を見ると、個人や企業などへの貸出金88兆円、債券や株式など有価証券として保有している金額が43兆円、そして日本銀行へ預金をしている分などその他が118兆円となっています。ポートフォリオを作る中で安定性が必要ですので、リスクが小さいとされている債券の割合が多くなります。しかし、その投資先である日本国債が厳しい環境下にあります。
短期国債利回りの低下
短期国債の利回りが▲0.1%を下回っているため、短期国債を購入するよりも日本銀行に預けたほうがメリットが大きいということになります。
国債などの債券利回りが低下しているのは、債券価格が上昇しているということを表しているのですが、短期債券の需要が高まっているということになります。
米ドルを所有している投資家が金利の低い日本債券に為替ヘッジを行う場合、金利差を為替ヘッジプレミアムとして受け取ることができますが、このプレミアムにより日本短期債券の需要が高まっているということの様です。
これにより、需要が高まった短期国債価格が上昇、利回りが低下し、みずほ銀行にしてみれば短期国債を購入するよりも日銀にマイナス金利を支払った方が、デメリットが少ないと判断されたことの様です。
今回はみずほ銀行がマイナス金利を適用することになり、話題となりました。しかし、大本は銀行にとって利益を得にくい環境が続いているということが背景ということになりますので、今後の金融機関の動きがどうなるのかも着目していきたいところです。