まなびの『び』

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中国でも猛暑、そして干ばつ。自然エネルギーの難しさ。

今年は各地で猛暑が発生しています。先日はヨーロッパを襲う熱波について触れました。

manabinobi.hatenablog.com

そして中国でも猛暑による干ばつが問題になっています。

news.yahoo.co.jp

中国では、長江水系の水位が低下。上のニュースでは600年前の仏像が川底から出てきたと話題になっています。

この水位の低下により水力発電による電力不足が問題となってきています。四川省では発電のほとんどを水力に依存していて、この電力不足により四川省重慶市で工場の一時停止を含む影響がでている様です。

中国計画停電、日本企業に影 トヨタなどの工場休止: 日本経済新聞

こちらの記事の寄ると、トヨタ自動車いすゞ自動車、ホンダ、デンソーパナソニックヤマハ発動機といった現地工場が稼働を停止しているとのことです。この問題が長期化すると、これら営業が阻害されている企業を始め、サプライチェーン関連での業績への影響が懸念されますね。

ただでさえ中国では新型コロナウイルスに対するいわゆるゼロコロナ政策によりロックダウンの影響がでていて、4-6月の成長率が大幅にマイナスとなっている経済状況です。今年に入り、恒大集団を始めとする不動産業界の混乱、新型コロナウイルス対策によるロックダウン、そして今回の電気不足と、立て続けに問題が発生していますね。

電気不足への対応として、石炭火力発電で補っている様です。先に記事にしたヨーロッパでの水力不足に起因する電気不足もそうですが、世界的な電気不足と、景気後退による需要後退の間でエネルギー資源の需給予想が難しいですね。

 

昨年もヨーロッパでは風力発電が出力低下、これにより天然ガス価格が高騰するといった問題も発生しました。太陽光、風力、水力といった自然エネルギー由来の再生可能エネルギーについては、この様な気象現象により供給力が低下する危険性があり、その都度代替として化石燃料の需要が高まります。今後の脱炭素の流れによる再生可能エネルギーの発電割合の増加については、これらリスクについてもしっかりと考えていく必要がありますね。