まなびの『び』

投資運用、業界研究、時事、その他学んだことを

1ドル144円台に突入。急速な円安進行。

ドル円相場が急激に円安方向に動いていますが、そのスピードに驚いています。

この記事を書いているのが、9月7日19時40分頃ですが、1ドル144.5円ほどです。上図が為替相場の5営業日のチャートですが月曜日は140円台でしたから、2営業日で約4円の急進となっています。

原因はやはり日米の金利差。特にきっかけはジャクソンホールでのパウエルFRB議長の利上げ継続のタカ派発言でした。これにより金利が高くなるドルの魅力がましてドルの価値が上がったということではあるのですが、円が特に弱い動きとなっています。急激な円安に対して対策を何も打てない、という状況を見透かされて、円売りがすすんでいることだとされています。

円安への対応策としては、日本が金利を上げるか、外貨を使って円を買っていくかのいずれかしかありません。

以前、利上げをすると何が起こるか?というテーマで記事を書きましたが、

manabinobi.hatenablog.com

改めてまとめると、

・設備投資の減衰による企業活動の低下。

黒字倒産の可能性が高まる。

・住宅ローンの変動金利が上がる

この様に民間への影響はかなり大きいです。企業業績が落ちることで、より賃金、雇用の状況が悪化し、より家計が苦しむ可能性があります。このため日本は金利が上げづらいと思います。

もう一つの円安対策としては円買い、つまり政府や日銀による為替介入となります。これは市場による為替水準とは異なり、政治的に恣意的に為替を動かすということですから、実施するにはハードルが高いです。特に今回相手側のアメリカとしては、ドル高にすることで外国製品を安くすることでインフレを抑制するという思惑もあるかと思いますので、相手側の同意は得られないでしょう。

投資家としてはより下落する前に円を手放したい、として円を売る動きになりますので、円の価値がより下落することになります。為替ヘッジによる買い戻し等で調整することはあるかと思いますが、円が戻ってくることはあるのでしょうか。