まなびの『び』

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イギリス トラス政権が誕生。

イギリスのボリス・ジョンソン氏の辞任に伴い行われた与党保守党の党首選が行われ、リズ・トラス氏が新しい保守党党首そしてイギリスの新たな首相として就任しました。

この記事は9月8日頃から準備をしておりましたが、記事作成中に70年にわたりイギリス国民を支えられたイギリスのエリザベス女王陛下が崩御されました。深くお悔やみ申し上げます。

さて話を戻しますが、イギリスでは先日記事にもした通り、他の国と同様に高いインフレの問題を抱えており、7月の消費者物価指数は前年同月比10.1%を記録しました。早急な対応が求められる船出となりました。

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トラス氏の保守党党首選で見られた公約では、大規模な減税を掲げました。減税により物価高から国民生活を守るというものの様ですが、懐疑的な見方もあります。日本もそうですが、多くの場合累進課税として高所得者ほど税金を多く払っているケースが一般的には多いです。トラス氏が今後発表する減税がどのようなものか、調べても情報が出てきませんでしたが、低所得者層には効果が薄いケースが多いようです。

イギリスにとっての課題のひとつは、エネルギー価格の高騰です。世界的な資源価格の高騰で電力、ガス価格が上昇していますが、今後料金の上限価格も引き上げられる予定となっていて、今後家計をさらに圧迫していきます。また、食品についても高騰しています。

これらエネルギーと食品というものは生活になくてはならないものですから、分母が小さい低所得者層ほど家計に占める割合が大きいものとされています。

日本の消費税にあたるのは、イギリスでは付加価値税とされその税率は20%と大きいものとなっています。日本では消費税が10%に変更するのにあわせ、食料品などについては8%が維持される軽減税率が採用されましたが、イギリスの付加価値税では、日本よりもさらに細分化されていて、軽減税率(5%)とともにゼロ税率として0%というものがあります。上記高騰している項目で言えば、食料品はゼロ税率、エネルギーは軽減税率で5%となります。通常20%としていることから、かなり優遇されていることがわかります。

つまり、イギリスの低所得者層はより税金的に優遇されており、このためにトラス政権の掲げる減税が国民の生活を守ることができるのか、不透明ということになります。