海運株が大幅安。内容を丁寧に見ていく。
9月29日に海運銘柄が大きく値を下げました。海運銘柄の大手3社を見てみましょう。
Tradingviewで3社の値動きを並べてみました。
わかりにくいですが、青が日本郵船(9101)、オレンジが商船三井(9104)、緑が川崎汽船(9107)となります。Tradingview上ではとてつもない下がり方をしているように見えますが、実態は違っています。
一つは、株式分割が行われている点です。
日本郵船と川崎汽船はいずれも9月30日を基準日として1株につき、3株の割合へ分割となります。9月30日が基準日となると、9月28日に権利が確定し、9月29日から分割後の株価で取引がされることになります。
3社の①9月28日の終値(分割前)、②9月28日の終値(分割後)、③9月29日の終値を並べると次の通りです。
株式分割を考慮にいれても、まだ大きく下落しています。もう一つの理由を考えます。さらに配当も考えていく必要があります。
海運3社は3月決算で、9月末はちょうど第2四半期末となります。中間配当があれば、上の株式分割と同様で、9月28日に権利が確定し配当を受け取ることができます。
このため、例えば9月28日の終値と同額で29日に売却ができれば、まるまる配当分儲かることになります。が、そうはならず配当分、値が下がる可能性があります。今回の海運3社についても影響を受けています。影響をまとめてみると次の通りです。
これでようやく株式分割と配当を考慮した前日比を見ることができます。
ここまで因数分解をして、本日の値動きがどうだったのかを評価できるわけですが、株式分割、配当効果を考慮しても大きく値下がりしていることがわかります。
配当まで我慢して持っていた、ということなのだと思います。海運銘柄についてはこれまで好調だった流れが終了する見込みであると囁かれています。特に前回記事で参照した日本郵船社長のコメントが今回の値下がり背景にありそうです。