まなびの『び』

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2022年9月の相場振り返り

2022年9月の相場の振り返りです。eMAXIS Slimシリーズの基準価格の推移を参考にみていきます。図は前月末の各投資信託の基準価格を1として、その推移をグラフ化したものです。参考にドル円の推移も掲載しています。

8月後半に株式市場が大きく下落しましたが、この引き金が経済シンポジウムのジャクソンホール会議におけるFRBのパウエル議長のタカ派発言でした。

9月に入ってもこの発言を踏まえた上で、9月20日、21日に開かれるFOMCにどのレベルでの利上げが決定されるかが注目されました。そして、今年常に意識されていますが、インフレの指標となる消費者物価指数CPIに注目が集まります。

日米金利差も意識され、ドル円が急速に進行。9月7日には1ドル144円台に突入しました。

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9月14日に発表されたアメリカのCPIは8.3%の上昇となり、市場予想を上回りました。インフレはピークを脱している様に見えますが、それでも高い水準で続いており、下期FOMCがより強く警戒されることになりました。

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ドル円の為替は上述の144円からは少し円高に触れていたものの、CPIの発表により再び145円手前に。日本政府、日本銀行は急速な円安進行に警戒感をしめし、為替介入の前段階となる「レートチェック」を行いました。

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そして開催された9月FOMC。結果3会合連続での0.75%の引き上げが決定されました。市場の予想通りではあったものの、今後の政策金利の見通しも上方修正をされることになりました。

一方日本では金融政策決定会合が開かれましたが、こちらも予想通り政策金利は据え置き。世界の中央銀行がマイナス金利を終了する中、唯一のマイナス金利適用国となりました。

三度為替に目を向けると、両国の金融政策を背景に、改めて急激な円安方向に傾いたのですが、ここで政府がとうとう為替介入に踏み切りました。

 

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一方その頃イギリスでは、ジョンソン氏に変わって新首相に就任したトラス氏が大規模減税の政策を発表しました。ところがこの政策が財政面の不安を引き起こし、ポンド安と株式の下落に繋がりました。

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非常に不安定な状況が現実味を覗かせるような9月の相場でした。4-3月でみれば上半期が終了。1−12月で見れば、今年も残り3ヶ月となりました。ここが踏ん張りどころです。