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OPECプラスが大規模な原油減産を検討→決定

OPECプラスが大規模な減産の検討を始めているという話題について見ていきましょう。

www.bloomberg.co.jp

OPECプラスは、石油の産出国の枠組みですが、石油の供給量を調整し石油産出国の利益を守ることを目的とした組織となります。10月の会合で大規模な減産を検討されています。

原油価格の推移

代表的な原油価格指標の一つ、WTI原油先物の過去1年の推移を見てみると、以下の通りです。

ロシアによるウクライナ進行を契機に急騰し3月上旬には一時129ドルまで上昇しましたが、その後落ちついた落ちに、5月にかけてじりじりと上昇していきました。

その後6月の中旬になるとアメリカの利上げとそれに伴う経済成長の減速への警戒もあり下降に転じると、8月にはウクライナ進行前の水準まで下落をしました。その後も下落を続け現在では86ドル付近となっています。

 

そもそも新型コロナウイルスの感染が始まったころ、世界的にロックダウンが行われ需要が極端に減ったことから価格は大きく下落、ほぼ0になりましたが、その後の経済が回復するに連れて反対に供給不足が目立つ様になりました。

これに対してOPECプラスは増産をつづけていましたが、世界的な脱炭素への流れもあり、増産への投資も少なく、大きな増産はされずにきていました。

原油の減産について

経済の減速が現実味を帯びてきており、需要も減少してきている環境下で、10月の日量10万バレルの減産は9月の会合ですでに決定をされていました。

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9月会合から1ヶ月が経ち、10月会合では冒頭の通り大規模な減産を検討しているということでした。Bloombergの記事によると、減産量については日量100万バレルや150万バレル、200万バレルも検討している様です。

実際には産油国の一部では、計画数値よりも生産ができていないことから、実際の減産量は今度の決定量よりも少ないともされていますが、それでも大きな減産がされる可能性があるとのことです。

そして、昨晩日量200万バレルの減産することで合意されました。政治的に痛いのはアメリカのバイデン大統領でしょう。アメリカのインフレの要因としてエネルギー価格の高騰は大部分を占めており、増産に向けて働きかけていました。11月に開かれる中間選挙直前で、インフレを助長しかねないニュースとなります。