2023年の世界の経済成長は。。。IMFが見通しを下方修正
国債通貨基金(IMF)が10月11日に世界経済の見通しを公表したニュースについて見ていきます。
IMF、23年世界成長率予想を下方修正-最悪期はこれから - Bloomberg
2023年の世界経済の成長率は2.7%と予想しています。7月に公表した2.9%から下方修正をした形になります。
国、地域別で見ると、以下の通りです。()内が前回発表からの修正幅
アメリカ 1.0%(±0.0%)
ユーロ圏 0.5%(-0.7%)
日本 1.6%(-0.1% )
中国 4.4%(-0.2%)
インド 6.1%(±0.0%)
多くの地域で下方修正をしていますが、世界経済の3分の1は縮小する恐れがあるとのコメントが恐怖を感じます。
『政策の計算ミスのリスクは急上昇』という点も、直近で発生したイギリスの政策に起因するポンド安の動きを見るとわかりやすい様に思います。
日本経済新聞の記事(世界経済「失速」2.7%成長 IMF23年予測、利上げが圧力: 日本経済新聞)では、失速の原因として急速な利上げを挙ています。
『米利上げは途上国の通貨安につながり、ドル建て債務の返済負担が増す。』と記載されていますが、これが個人的には一番恐れています。以下、例えばAという途上国を想像します。A国の通貨は信用力がそこまで高くありません。そこで、国際的な決済はアメリカのドル建てで行っています。
アメリカが利上げをすると、ドル高になります。これによりAは自国通貨の価値が下がります。こうなるとA国が発行するドル建て国債の利払いには、Aの自国通貨ベースでより多くの金額が必要になります。外貨準備はしていましたが、どんどん目減りをしています。手を打たなければ返済が滞りドル建て国債はデフォルト、債務超過に陥ります。
また、A国はエネルギーや食料を輸入依存度が高く、これらの輸入コストも大きく膨らむことになります。つまりA国内でのエネルギーや食料の価格が上がり、インフレが膨らむことになります。
結局、国債、通貨の信用度が下がり、ますますスパイラルのように通貨安となっていく事になっていきます。これが通貨危機です。
これを防ぐためにIMFが存在しているわけですが、財政の健全性の強化のために財政緊縮をA国に強いることになっていき、結局A国民の生活がよくなるかは別問題となります。
アメリカの利上げは現在の予想では2023年度まで続くといわれています。それも現在の予想であり、今後のCPI、インフレ予想次第とも言えます。果たして、新興国が、そして世界経済が持つのか、、、と悲観的に考えている自分もいます。