まなびの『び』

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個人年金保険とは?〜年末調整シーズン〜

サラリーマンの方々は年末調整をこれから行う(あるいはちょうど行う)時期ではないでしょうか。給与所得を受けている方は所得税等を給与から源泉徴収をしているかと思いますが、実際に支払うべき金額と源泉徴収される金額が一致するとは限らず、これを是正するために12月の給与で調整をする、これが年末調整となります。

 

この年末調整において、ご家族の状況により扶養控除の申告であったり、住宅ローンがあれば住宅ローン控除、あるいは保険料控除について申告するなどがありますが、結構わからない内容も多いと思います。私も正直よくわからないまま毎年乗り切ってきているのですが、その中で個人年金保険料控除というものについて調べてみました。

(なお、本記事はあくまで個人年金保険とはなんぞや?を見ているのであり、保険をおすすめしているわけではないことを改めて強調しておきます。)

 

個人年金保険とは

個人年金保険とは、例えば65歳から10年間年金を受け取ることができる、などといった様に保険の設計を行い、応じた保険料を支払っていく、といった生命保険です。

年金受取期間中に死亡した場合でも一定期間受け取ることができる「確定年金」や、

保証期間中は死亡していても受け取ることができ、その後は生存していれば受け取ることができる保証期間付終身年金

など年金の受け取り方に応じたいくつかの種類があります。

 

個人年金の保険料・受け取りシミュレーション

参考に1例を見てみましょう。日本生命のニッセイみらいのカタチ年金保険のWebサイト(https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/seiho/mirainokatachi/nenkin/)より、簡易シミュレーションを触ってみます。

男性・30歳・保険料5,000円プランで資試算をすると、以下の結果が出てきました。

①30歳から65歳までの累計保険料約209.9万円、

②65歳から75歳までの年金累計額約221.1万円、

返戻率(①÷②)=105.3%

 

さて、プラスで戻ってくる、という話ではありますが、この利回りを計算してみると、年率0.3%といったところです。それほど大きくはなく、自分でつみたてた方が得になるケースも多そうです。

 

最大のメリット:個人年金保険料控除

話を冒頭に戻して個人年金保険料控除を受けられることが個人年金のポイントになります。ものすごくシンプルに給与所得500万円の方が、基礎控除以外の控除を考えず、上述の個人年金保険に加入した場合の個人年金保険料控除の有無のみで比較をしてみます。

個人年金保険料控除あり(年間6万円)の所得税額:211,300円

個人年金保険料控除なしの所得税額 :214,900円

差額:3,600円

(住民税は収める都道府県、市町村によって異なるため省略します。)

そうなると実質的に毎月約4,700円の保険料で済むということになります。そうなると、先ほど年率0.3%だったところが0.6%ほどまで上昇します。

所得税は所得の大きさによって税率が変わりますから、所得が大きい人ほど効果が大きいということになりますね。