まなびの『び』

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三菱商事が大幅の上方修正

8日の決算発表で注目度が高かった銘柄のひとつに三菱商事があったと思います。好調な業績の発表に加え、大幅な業績見通しの上方修正、さらに配当の増額についても発表しました。また、自社株買いも実施することも発表がありました。

第2四半期業績について

2023年3月期第2四半期の最終利益は前年同期比から3,594億円の増益となりました。金属資源セグメントが増益分のうち半分の1,788億円を占め、その他、自動車・モビリティセグメント、総合素材セグメント、石油・化学ソリューションも好調でした。

業績見通し上方修正について

三菱商事は従来より最終利益について業績見通しを公表していて、これまでの8,500億円から1兆0,300億円と21.2%の上方修正を行いました。

これは上述の各セグメントで好調な業績を反映したものとなりますが、この最終利益1兆円兆というのは、日本の創業商社として初となるとのことです。

増配について

1株あたりの配当を前期の150円から155円に5円増配を発表しています。第2四半期末の中間配当にて2円の増配。この中間配当はすでに権利は確定している状況ですね。そして今後の期末配当を3円配当予想としています。

自社株買いについて

自社株買いは発行済株式総数に対して1.5%ということでそこまで大きくないものの、700億円規模の自社株買いを発表しています。

市場の反応

さて、三菱商事の決算は13時30分と場中での決算発表でした。

というわけで今日の株価の推移を見てみますと、決算発表直後から大きく下げていきました。前日終値が4,403円でしたが、一時的に4,201円まで下がりました。その後回復して4,331円で引けました。

 

さて、今回発表内容としては好調な業績とそれを基にした株主還元を含んだ発表でしたが、市場の反応としては逆にマイナスに振れました。いわゆる織り込み済みというものだと思いますが、単純に考えていくとこの織り込み済みという言葉について納得感は薄く感じます。

今回見通しで1兆円超としましたが、これは前期比10%増となります。これに対し、配当で言えば150円から155円と約3%増にとどまります。つまり、市場としてはもっと還元が多くて良い、という反応だったと想像ができます。

決算説明資料内において『追加の還元幅は、中経2024の方針に基づき、年度後半にかけて見定める』とあることから、配当および自社株買いについてもさらなる上乗せの発表があってもよいのでは?と妄想します。