まなびの『び』

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スクウェア・エニックスの元社員がインサイダー取引疑惑

サラリーマン投資家にとって気をつけなければならないのが、インサイダー取引です。本日、スクウェア・エニックスの元社員が逮捕されるニュースがありました。

 

「ドラクエ」情報でインサイダーか スクエニ元従業員逮捕: 日本経済新聞

 

記事によると、自身が勤めていたスクウェア・エニックスAiming社とで共同に開発している「ドラゴンクエストタクト」に関する未公開情報を入手し、Aiming社の株式を2,080万円購入し、知人に同情報を教え、この知人も2,640万円の株式を購入しています。

購入をしていたのが2019年12月〜2020年2月で、ドラゴンクエストタクトのゲーム開発発表が2020年2月、同7月にゲーム配信開始しています。

というわけで2019年12月1日から2020年12月31日までのチャートを見てみます。

ドラゴンクエストタクトの開発発表前は250円から300円といったところでしたが、2020年2月5日に同IR情報が発表されると、3営業日連続のストップ高を経て4営業日後に721円の高値を付けました。その後、一旦落ち着いたもののリリースされた7月には1,149円の高値となりました。

今回のケースについては、意図的に行っていることがわかりやすいですが、インサイダー取引についてはサラリーマン投資家にとっては非常に注意をする必要があるかと思います。日本取引所グループHPより、インサイダー取引の説明文書を参照すると、以下の通りとなります。

インサイダー取引とは、上場会社の関係者等が、その職務や地位により知り得た、投資者の投資判断に重大な影響を与える未公表の会社情報を利用して、自社株等を売買することで、自己の利益を図ろうとするものです。そうした情報を知らされていない一般の投資者は、不利な立場で取引を行うこととなり、証券市場の信頼性が損なわれかねないため、金融商品取引法で禁止されており、違反者には証券取引等監視委員会による刑事告発や課徴金納付命令の勧告が行われます。

自社の株式だけでなく、取引先などの未公開情報についても注意が必要ですし、業務上のオフィシャルの場だけではなく、同僚からの雑談の場などから聞いた話でも対象となりますので、注意が必要です。

 

インサイダー取引がないか市場を監視している組織があり、売買高の推移等から異常な取引がないかを調査。異常な売買を行った顧客情報を証券会社に照会し、それら情報や過去の売買履歴などをもとにインサイダー取引の疑義がないかを調査をしていきます。

ということで、重大な情報の発表前に大量に買い付けていないか、発表直後に大量に売却していないか、その人がいれば、その人は重大な情報を知り得る人なのか、など細かに調査をされていきます。

いらぬ嫌疑をかけられない様に、業務周辺で知り得た情報に近い銘柄は触らないほうがよいと思いますね。