まなびの『び』

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40年ぶりの消費者物価指数3.6%上昇とインフレ手当の話題

10月の消費者物価指数が11月18日に発表されました。総合指数が前年同月比で3.7%、生鮮食品を除く総合指数(コア指数)は前年同月比3.6%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコア指数)が前年同月比2.5%、それぞれ上昇しました。コア指数の前年同月比3.6%は40年ぶりという伸び率となります。

 

上昇させた要因もみていきます。

生鮮食品を除く食料が5.9%増です。外食が上昇しています。日々のニュースでも値上げがよく取り上げられています。先日も外食大手の7割が値上げを行った、とありましたのでその上昇が想像付きやすいかと思います。

続いて、光熱・水道費が14.6%増。電気代、ガス代ともに20%を超える上昇となっています。

家具・家事用品が6.9%増となっています。こちらもルームエアコンなどの家庭用耐久財が強く押し上げています。

 

総じて、エネルギー、食品が押し上げています。上述した外食業者の値上げの背景についても原材料価格の高騰がその原因となります。特に小麦や肉などの輸入食材を多く扱う事業者については円安に苦しめられているのがわかります。値上げができていて、それでも客離れが抑えられている事業者にとってはまだよい状況。それでもこれだけ消費者物価指数が高止まりしていると、外食離れも進んでいきそうな気がします。

 

もう一つ取り上げたいニュースが、帝国データバンクの調査によると、26.4%の企業が、従業員へのインフレ手当を支給した、もしくは予定・検討中と答えている、ということです。インフレ手当の一時金の平均支給額は5万3,700円の様です。

“インフレ手当” 検討中含め 支給は4社に1社 民間調査 | NHK | 物価高騰

ヒアリングに回答した企業がどの程度の規模の企業で、従業員の年収がどの程度かわかりませんが、仮に500万円程度だとすれば、支給額は1%ほどということになります。これが緊急的に支給されている、ということを考えれば大きいのではないかと思います。

支給の理由として記事にあるのは、

「食料品などの値上げラッシュによる実質賃金の減少を補うため」
「従業員のモチベーション向上や人材の流出を防ぐため」

と記載されています。人材の流出を防ぐため、というのは企業としても危機感を持っている様に感じます。

 

先程1%が大きいと書きましたが、それはあくまで緊急的に支給されていること、が前提で、上述の消費者物価指数の上昇率から考えれば、足りません。

果たして定時昇給の時期となる来年度の春闘では、どの程度の賃上げとなるでしょうか。