まなびの『び』

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中国リスク再び。ビザ発給停止。その影響は?

新型コロナウイルスの急拡大する中国の話。日本は中国からの渡航者に対して、水際対策を強化しました。これに対する対抗措置として、中国は日本人へのビザ発給を停止するとしました。かなり唐突な感じがありますが、このニュースについて考えてみたいと思います。

 

中国は新型コロナウイルスが急拡大しているとされています。「されている」としたのは、WHOからも透明性な情報が開示されていないと発言があるなど、正しい情報がなにかよくわからない状態だからです。

ただ、中国からの日本への入国者のうち、8%ほどが新型コロナウイルスの陽性であったと厚生労働省から発表されています(4895人中408人がコロナ陽性…中国からの日本入国者 厚労省公表(日テレNEWS) - Yahoo!ニュース)から、事実感染状況はかなり多いものかと思います。

その様な状況下であるために日本が水際対策を強化したところ、中国からは、「だったら日本人を入れるな!」と言わんばかりにかなり強い対抗措置を発表しました。

「差別的な入国制限については断固反対し、同等の措置をとる」(中国「差別的な入国制限に対抗措置」…日本人と韓国人への新規ビザ発給停止(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

と中国外務省から発表されていますが、差別的?という言葉に疑問がありますが、強くプレッシャーをかけていることがわかります。

 

これに対して興味深いのは、日本や韓国は水際対策の強化を行ったのに対し、タイについては規制強化⇒緩和と大混乱した様子です。(3月までに約30万人の中国人が入国するタイ、水際対策巡り大混乱:東京新聞 TOKYO Web)一時水際対策を強化したものの、閣僚がそれを取り消しを発表しています。傷んだ観光業を回復させることを優先したということでしょうが、これは国の考え方次第となりますのでなんとも言えませんが、東南アジアの国々取ってみれば、中国のインバウンドの有無で経済で死ぬか、コロナで死ぬか、という話なのかもしれません。

 

日本に話を戻して、中国からビザ発給停止を受けた日本は今後どうなるでしょうか。これが仮に長引いた場合には、中国への商用出張の渡航ができなくなるので、経済的ダメージもありそうです。

11日の日本航空の株価は1.9%下落したのは、このニュースが背景にあるかと思います。

 

また中長期的に見れば、やはり中国の方針転換が急激すぎるため、日本企業の脱中国が進みそうな気がします。日本と中国との分断は経済的にはマイナス方向ですが、中国進出企業にとっては再考するきっかけになってしまったというのは、考えすぎでしょうか。